中国へ公式訪問するも冷遇される
「慰安婦問題は、日王(天皇)の謝罪があればすぐに解決する。日王は戦犯の息子のような人」など発言し、日本側の撤回、訂正要求にも反発している韓国の文喜相国会議長が、5月7日、中国を公式訪問するも習近平国家主席と面談できず冷遇されたと韓国『中央日報』が伝えた。
韓国国会議長の公式訪中は、1992年の国交樹立以来、今回で10度目となるが、国家主席と会えなかったのは、2007年の盧武鉉政権末期のときの訪問に次ぐ2度目となる。現在の文在寅大統領が、盧武鉉大統領の側近だったことは偶然なのだろうか。
この文喜相議長訪中は、中国メディアでは大きくは報じられていない。
実弟は中国大連の経営者。韓国人会の重鎮的な存在
中国朝鮮族によると文喜相氏の実弟は中国大連で乳酸製造メーカーを経営しており、在中韓国人や朝鮮族の間ではちょっとした知られる存在であることが分かった。
実弟の文喜戴氏は、「大連喜福得食品有限公司」という会社を経営しており、ヨーグルトなどの乳製品を生産している。中国語サイトによると同社は、2002年創業、本社は、大連市沙河口区西安路という戦前から日本人が多く居住し、現在も大連第3の歓楽街として賑やかな場所にある。
すでに15年以上、中国ビジネスに関わっているので、大連韓国人会では重鎮的な存在で、瀋陽の韓国総領事が大連を訪問し朝鮮族と会食するときなどにも同席することが多いという。
そんな中国と関わりが深い人間が実弟がいるにもかかわらず厳しい待遇を受けたようだ。
サード配備への報復処置はいまだに続いていた
サード配備への報復処置はいまだに続いていた
日本ではすでに忘れられているが、中韓は朴槿恵政権時代の2017年3月に配備された「サード(終末高高度防衛ミサイル)」をめぐり関係が悪化し、中国政府は、サード配置の報復処置として、訪韓する中国人団体旅行を禁止に。結果、韓国を訪れる中国人観光客は激減した。
実は、そのときの禁止処置は現在も継続している。文在寅政権となり、サードの規模を縮小したものの現在も配備されているため、山東省と上海の一部エリアの旅行会社のみ緩和されるも大部分の旅行会社はいまだに団体旅行が禁止されたままだ。そのため、代替地としてタイや日本への中国人団体旅行が急増し、昨年春からは北朝鮮への団体旅行も激増している。
実弟の七光も国家同士の関係には勝てず
中国人は韓国入国時にビザ(済州島のみビザ免除)を取得する必要があるため個人でビザを取得すれば比較的に簡単に訪韓できる。しかし、個人で訪韓する中国人はピーク時の3割くらいとされて現在も中国人訪韓客は回復していない。
文議長の今回の冷遇はそのような中韓関係が主要因と見たほうが自然だろう。
残念ながら文議長の実弟の「七光」ならぬパワーを持ってしても打開はできなかったようだ。