北朝鮮にもスマホが普及。平壌ではすでに200万台以上
中国国内ではバックドアが合法的に組み込まれている(2/3)の続き。
仮定の話であるが、中国政府が全面的にある企業を国をあげて支援して短期間で進化させ、価格競争に勝てるように税制面でも優遇したり補助金を出して、世界中で低価格で販売できれば圧倒的なシェアをあっという間に獲得することができる。本来であれば中国国内向けの仕様だが、世界的な影響力ある製品は特例として中国国内仕様と同じものが販売されている可能性も否定できないわけだ。
話をようやく北朝鮮へ転換させると、現在、首都平壌だけスマートフォンが200万台以上が普及してるとされる。この台数は1、2年前の話だから現在はもっと多いはずだ。
スマホ・タブレット端末・USBメモリーも国産化されている
北朝鮮のスマホも中国の技術を参考に同じような仕様にしている可能性は高い。それが理由なのか3年ほど前から外国人旅行者は北朝鮮製のスマホを購入することができなくなった。国外で分解されるのを嫌がっているのかもしれない。許可を得て取材訪朝や駐在する外国人は今でも北朝鮮製スマホを購入できるそうだが、人数が限られているので犯人探しが容易なんだろう。
他にも北朝鮮製では、パソコンやタブレット端末、USBメモリーキーも国産化が進み製造販売されている。このうち、スマホ以外だとパソコンも色々な理由をつけられて買うことが難しい状況ではあるが、タブレット端末とUSBメモリーキーは外国人旅行者でも購入することができる。
北朝鮮国産のUSBメモリーキーでは、楽天のようなECサイトも運営する「万物商」が北朝鮮のトップブランドとして有名だ。他にも「普通江」などが販売して北朝鮮人の間で使われている。昨今、問題視されているファーウェイのスマホのようにUSBメモリーキーへ何かしらのバックドアを埋め込む技術が中国で確立しているとしたらすでに北朝鮮へ伝わっていても何ら不思議ではない。
アナログ管理からデジタル管理へ?
北朝鮮はこれまでは国民を相互監視させたり、報告させたりと人によるとアナログな手段で管理を行っていたが、今後は、普及が進むスマホやUSBメモリーキーなどのハードウェアや、娯楽として広がり始めているソフトウェアを使ったデジタルな管理をする時代を迎えるのかもしれない。
さすがに外貨の稼ぎ頭となりつつある「大同江ビール」や土産物としても人気の「モランボン楽団」のDVDやカレンダー、チマチョゴリ、ポストカードなどではバックドアを入れようがない。
今後、もし北朝鮮がデジタル機器を外国人向けに大々的にアピールを始めだしたら、ファーウェイやZTEなどの例を思い出すことになるだろう。