レノボ外国人幹部がバックドアを認める

レノボ外国人幹部がバックドアを認める

中国各地にある総合電気街「電子城」

米政府が中国ファーウェイ製品の使用停止を同盟国へ求めた理由(1/3)の続き。

 ある中国のグローバル企業が創業20年パーティーで来賓者へプレゼントしたUSBメモリーキーが通常とは異なる構造を持ったものだったことが解析結果で判明した。配布した中国人代表は何も知らずに配布しているのかもしれない。このメモリーキーは元々中国国内向けの贈呈品として加工されたものだったが、それが好評だったのかそのまま海外の各支社に配られたようだ。

 これは推測も入っているが、理由はある。中国は国内向けのハードウェアやソフトウェアには治安維持の建前で利用者を監視できるようなシステムを組み込んでいる。

 かつての「IBM」のパソコン部門を買い取り成長を遂げた中国メーカー「レノボ」の外国人幹部も今年のインタビューで事実上、中国向け製品には中国政府の要請に応じた特殊な仕様になっていることを認めている。

Lenovo幹部が「中国ではバックドアを仕込んでるけど他の国ではやってない」ことを示唆GIGAZINE

中国版スカイプは中国独自のバックドア付き仕様

 有名な話では、現在は「マイクロソフト」が運営する無料通話アプリ「スカイプ」は、「フェイスブックメッセンジャー」や「LINE」、「カカオトーク」などが中国国内で使用禁止になる中で今でも使用できるのは、中国でも広く使われているパソコンの基本ソフト「ウィンドウズ」との関係もあるが、マイクロソフトが中国政府の要請に応じて中国向けにスカイプをカスタマイズして配布することで容認されているのである。
 
 つまり、スカイプは中国版と中国を除く海外版とでは仕様が異なっており、中国国内で日本語OSと一般の通信回線を使いスカイプと検索すると、日本語版のスカイプサイトがヒットするも、クリックすると強制的に中国語版のスカイプサイトへ飛ばされるのだ(日本語表示でき使用感はほぼ同じ)。

世界中で売れる中国スマホで情報収集?

 先日、ご紹介した2013年の百度のバックドア騒動も本当に単なるミスで、中国国内仕様のまま日本で公開してしまったのかもしれない。

 中国国内だけで情報を集めるためのバックドアを組み込んで情報収集するのは百歩譲ってもいいが、それを海外でも行っていることが事実であれば、アメリカ政府が主張するように安全保障の驚異と言えるだろう。

 ファーウェイとともにアメリカ政府から名指しでNGを食らった同じく中国の通信機器大手でスマートフォンも販売する「ZTE」など急速に世界シェアへ伸ばし、爆発的に普及できる力を持っている製品であれば、各国の情報を高いコストをかけて集める必要もなくなり、ほぼ自動で欲しい情報をいつでも好きなだけ集めることができるのであるから、情報が欲しい人間には願ったり叶ったりなのではないだろうか。

(続く)

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