WeChatユーザーは10億人
WeChatユーザーは10億人
外国人が行ける範囲、見える範囲ではあるが平壌を歩く多くの北朝鮮人たちがスマートフォンを持っている。同行するガイドもスマホを駆使しており、通話以外にもメッセージアプリ、コミュニティサイトも楽しんでいるようだ。そのため、現在、ガイドへプレゼントして喜ばれる土産はスマホ用の画面保護フィルムなどスマホ快適グッズだったりする。
スマホの普及を始め北朝鮮国内のインターネット環境は急速な発展を遂げつつある。金正恩政権への求心力維持と北朝鮮人のガス抜き手段としてスマホやインターネットを活用する動きも加速しているようだ。
今年の4月以降、北朝鮮高官の中国視察が増えており、都市インフラだけではなく、中国が誇る世界最強のインターネット集中管理方式を導入して国民管理に利用しようとする動きも見せている。
中国のインターネットは年々規制が強化され、現時点では、「グーグル」系サービス、検索はもちろん、Gメールやマップ、「ユーチューブ」、「フェイスブック」、「インスタグラム」、「ツイッター」、「LINE」、「ニコニコ動画」、「ドロップボックス」、「FC2ブログ」など主要なSNSやサイトはアクセスがブロックされている。昨年秋までなんとかアクセスできていた「ヤフー」もついにトップページ以外は開かなくなっている(ヤフーメールは直接URLへアクセスすれば辛うじて送受信できる)。
中国が海外サイトを規制する大義名分は、知的財産の保護や治安維持、青少年への配慮のためとしているが公式な政府見解は出していない。実際のところは、データを保存するサーバーが海外にあると政府がコントロールできないから都合が悪く遮断しているといったところだろう。
もっとも北朝鮮は一般国民に対して海外サイトは解禁しないだろうから、この点は参考にしていないと思われる。しかし、北朝鮮が大いに参考にしたいと研究している1つが「WeChat(微信)」だろう。
WeChatは、中国南部の深センに本社がある「テンセント」が運営するチャットアプリで、イメージとしてはLINEに近い。日本のメディアでは中国版LINEと表現されことも多い。しかし、機能ではLINEを凌駕するものも多く、すでにLINEを上回っているのではとの声すらある。
WeChatのユーザー数は10億人を超えている(テイセント2018年3月発表)。LINEは、2億1700万人以上(2017年2月-9月LINE発表)、こちらの人数は月間アクティブ数となる。日本国内に限定すれば7300万人以上(2017年12月LINE発表)同じく月間アクディブ数となる。
7億人の中国人スマホ利用者必須アプリ
単純にこれだけ比較するとWeChatはLINEの5倍以上の規模となりすごいとなるのだが、中国のスマホユーザーは、7億5300万人を超えている(2018年2月1日『人民日報日本語版』)。現在、中国はスマホユーザー=WeChatユーザーと考えても差し支えないほどWeChatは中国人の必須アプリとなっている。そのため、スマホユーザーのほぼ全員がWeChatインストールしているといっても過言ではなく全世界のWeChatユーザーの7割が中国人となる。それでもLINEの全ユーザー以上が中国以外で使われていることになる。中国以外で利用率が高いのは、主にアジアで、タイやベトナム、台湾などとなる。
北朝鮮がWeChatとほぼ完成したとされる中国のインターネット集中管理方式へ注目する理由についてはその2へ続く。
参考サイト
メッセージアプリ「WeChat」、アカウント数が世界全体で10億突破「DG Lab Haus」
【無料で簡単DL】2018年6月更新! 11のソーシャルメディア最新動向データまとめ「ソーシャルメディアラボ」
中国のモバイルインターネット利用者数、7.53億人に『人民日報』