ガイドがいない単独状態で行動か
ガイドがいない単独状態で行動か
11日未明に判明した北朝鮮での日本人拘束から1週間以上が経過したが続報が途絶えている。19日の菅官房長官の記者会見でも詳細は控えると明かされていない。日本政府から情報が出ないため各マスコミも静観している状況が続いている。
中国の北朝鮮旅行を手配する旅行会社へ確認すると、北朝鮮側から今回の日本人拘束についての説明はまったくない状態で10日から外国人観光客の入国を停止しているため動き自体がないとのこと。
「複数の国籍の人が拘束されたとの情報もありますが、案内人がいる状態で撮影されてはまずいような軍事施設へ行くとは考えづらいし、軍人を撮影したと案内人が判断した場合はその場で確認し、写っていたら削除するように伝えるはずなのでそれに従っていれば、正式に査証を取って入国した観光客がスパイ容疑で拘束されることは考えづらいです」(中国丹東の旅行会社)
だとしたらどうして拘束されたのか。考えられる可能性として、
「案内人がいない状態での単独行動をしたからではないでしょうか?たとえば、早朝など案内人がいない状態でホテルを抜け出して周辺を撮影しながら散歩などしていて拘束された可能性はありえます。北朝鮮で外国人宿泊するようなホテルの入り口には必ず監視を兼ねたドアマンがいますが、深夜や早朝などはいない時間帯もあります」(同上)
北朝鮮旅行はガイドが終日随行
北朝鮮での旅行は入国から出国までガイド(案内人)が終日随行する。旅行者と同じホテルに宿泊する徹底ぶりで、ホテルからは決して外へ行かないようにと口酸っぱく注意を受ける。「なぜダメなのか?」と聞いた日本人旅行者がいたのだが、ガイドの回答は、「1人だと危険だから。皆さんの安全のためです」と言われたという。もちろん建前であるが、北朝鮮は官製ツアーなので、1人での行動は一部の駐在外国人を除き、中国の朝鮮族や在日朝鮮・韓国人であっても非居住での一時滞在の場合は、原則ガイドなしでの行動は禁止されている。
北朝鮮における日本人のスパイ容疑での拘束は1999年の元新聞記者以来となるが、観光入国者であれば史上初となるかもしれない。
北朝鮮は、9月9日の建国記念日など9月は北朝鮮にとって重要な月で韓国の文寅在大統領が訪朝し南北首脳会談が行なわれる見通しに加え、中国の習近平主席の訪朝もと囁かれている。実現すればそれぞれ、3回目の南北、4回目の中朝首脳会談となる。果たしてそれまでに日本人拘束者について何かしらの進展があるのか注目していきたい。