21年退任の前北朝鮮大使もいまだ北京に

21年退任の前北朝鮮大使もいまだ北京に

新義州観光する中国人が使う国境エリア限定の出入境通行証(右) 出典 ウェイボー

 中朝国境の遼寧省丹東の旅行会社によると、封鎖が続く丹東と北朝鮮新義州との国境が早ければ2月上旬に部分開放される見通しを明かした。
 
 当初は中国人の海外への団体旅行が再開される8日とも言われていたが、遅くても16日までには開放されるとの情報があるとのことだ。

 16日は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の生誕日である光明星節となる。

 北朝鮮のカレンダーでも、光明星節と金日成(キム・イルソン)主席の生誕日 4月15日の太陽節だけは特別太字の重要な祝日とされる。

 新義州への渡航は、まずはコロナ禍で3年以上も帰国できずにいるとされる北朝鮮人労働者の帰国から始まり、北朝鮮外交官や官庁から派遣されている駐在員などの帰国という順で進められる。

 その後、中国人出張者など非観光客の往来を再開させる段取りになるという。

 出張者の往来再開は、早くて来月上旬、最後に新義州日帰り訪問など中国人観光客となるのだが、観光再開は3月末頃ではないかとの見通しを示す。

 北朝鮮人労働者は、丹東や吉林省延辺朝鮮族自治州などを中心に10万人ほどが帰国できずに派遣労働を継続しているとみられる。

 丹東の朝鮮族は、実際には20万人くらいいるとの情報も耳にすると話す。

 彼らはビザが切れていて不法滞在であるが、新型コロナウイルス特別対応で不問となっている状況が続く。

 北朝鮮人派遣労働者たちと直接接する機会がある前出の朝鮮族は、「みんな早く帰国して家族に会いたがっていますよ」と近況を伝える。

 貿易関係で遼寧省大連に駐在する官庁関係者は、派遣労働者同様に3年以上も帰国できていないが、帰国時の隔離の有無や国境を通過できるの人数制限などがまったく不明なので、国境が開放されても、すぐには帰国しないで様子を見たいと話す。

 この官庁関係者によると、2021年に退任した池在龍(チ・ジェリョン)前北朝鮮大使もいまだ帰国できず、北京に滞在しているという。

 今年81歳となる池在龍氏は、2010年から2021年まで11年ほど駐中華人民共和国大使を務めた。

 自分たちが帰国するのは、前大使が帰国してからになるとの認識のようだ。

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