外国人が受診できる病院でも肺炎で多数の死者
「大連の大学病院でも日本で報じられたような廊下や屋外まで点滴を受ける患者があふれているような状況でした」
と体験談を話すのは、中国遼寧省の大連で家族で10年以上生活する日本人男性だ。
外国人が受診できる病院では、普段であれば見せたくない光景だったと思われるのが、「もうそんな余裕がなかったのだと思います」と男性は感想を口にする。
12月10日頃に子供が感染し、12日には家族全員が感染。男性は38度を超える発熱が数日続いたため、大学病院を訪れた時の話だという。
症状が改善するまで10日間ほどかかり、現在も喉の調子が良くない「しんどいクリスマスでしたよ」と話す。
男性ら家族は、春節(旧正月)前に一時帰国したので、爆速感染した大連について話を聞かせてもらった。
男性は、治療を受けた大学病院の医療関係者から、肺炎で多くの高齢者が亡くなっていて、火葬がまったく追いつかないと聞いたという。
9億人以上感染したと認める
中国政府は、13日から19日までの新型コロナウイルス関連死を1万2658人と発表。12月8日から1月12日までを5万9938人と発表していたので、合計7万2596人となる。
12月8日以降、中国政府は悪癖である隠蔽(いんぺい)体質全開で、感染者数もウイルスのゲイム解析結果も発表しなくなった。
これが日本や周辺国を強く警戒させる要因になったわけだが、中国メディアは北京大学の研究チームの報告として、「中国全土で累計9億人が感染。人口14億人超の64%が感染済み」と報じている。
事実上、中国政府が最低でも9億人以上が感染したことを認めたことを意味する。
ここで問題となるのは低すぎる致死率である。中国国内ではこの点に懐疑的な声をSNS上や公の場所で口にすることはできない。
日本のBA.5での致死率の中間値で算出すると死者54万人
現在、中国で流行している新型コロナウイルスは、オミクロン株のBA.4・5やBF.7と中国政府のアドバイザーを務める鍾南山氏が発言している。
加えて、日本での水際対策を強化以降、中国からの入国者のゲノム解析からも懸念される新たな変異株が見つかったとの発表はないことから、まん延しているのはBA.4・5やBF.7と考えて良さそうだ。
では、日本の各機関やメディアが発表しているBA.5の致死率を見てみたい。
・2022年夏の第7波では0.11%(2022年12月7日・NHK)
・2022年11月 新規感染者数157,627人 死亡者数108人 0.06%(2022年10月18日・神奈川県)
・2022年7月(BA.5)死亡率0.022%(2022年9月26日・ダイヤモンド・オンライン)
NHKとダイヤモンドは厚生労働省の統計から。神奈川県は県内の医療機関からの報告をもとに算出されている。
集計期間などの違いで数字に差異が生じているが、ウイルスは変異するたびに感染力は増すが、反比例して弱毒化が進むとされる。
3つの数値の中の中間で、直近の統計でもある神奈川県の致死率0.06%で仮に計算してみると、中国での推定死亡者は54万人となる…地獄だ。
中国で事実が明らかになる日は訪れるのだろうか。