韓国製ラーメンだけ叩かれるのはおかしい

韓国製ラーメンだけ叩かれるのはおかしい

基準値を超えるEO検出で不合格となった辛ラーメンブラック 出典 台湾食品薬物管理(FDA)

再び辛ラーメンから「発がん性物質」を検出 台湾の通関検査で不合格の続き。

 韓国を代表するインスタント麺の辛ラーメン(農心)が、台湾の通関検査で不合格となり、1000箱が返品・廃棄となることが17日明らかになった。

 この件、日本のメインストリームメディアでは確認できない。主にネットメディアや韓国に批判的な媒体が取り上げているのが確認できるくらいだ。

 一部韓国メディアは、昨年から今月17日まで今回問題となったエチレンオキサイド(EO)が検出された製品は、インドネシア13件、日本とベトナムがそれぞれ7件、韓国3件、フィリピン2件の合計32件になっていると伝えた。

 韓国のインターネット上では、「日本は韓国の2倍以上の7件もEOが検出されたのに韓国だけ取り上げて叩くのはおかしい」という声も上がっているようだ。

 台湾の通関検査結果を発表した食品薬物管理(FDA)で2022年の不合格品で確認すると、確かに日本が輸出したインスタントラーメンが7種類あることがわかる。

「EU基準が厳しすぎる」責任転嫁の農心?

 ちなみに、2022年1月1日から今月17日までの期間で全666件あり、うち日本産は115件となっている。その多くがイチゴやマスクメロン、桃、ミカンなど農産品となっている。

 同じ期間で不合格になった中国産製品は174件で、半分以上をプラスチック製の工業製品が占めおり、農産物や食品は割合的に少ないようだ。韓国は同期間27件となっている。

 確かにこれだけ見ると、辛ラーメンだけが大きく取り上げられてブランドイメージを損ねている感はある。

 「欧州連合(EU)基準が厳しすぎる。自分たちは悪くない」との責任転嫁とも受け取れる農心の嘆き節にも一理あるのかもしれない。

ガス抜きチャンスだけど沈黙する中国

ガス抜きチャンスだけど沈黙する中国

ウェイボーへの投稿は確認できるも投稿数も反応も少ないようだ

 台湾、韓国、さらには、対立を深めつつあるヨーロッパも叩けるということで、最適なガス抜きになっていそうな中国では、さぞかし今回の件で炎上しているかと思いきや、まったく盛り上がっていない。

 国営や中国共産党の機関紙などの官製メディアはもちろん、準官製メディア的な位置づけの香港やシンガポール国営メディアでも辛ラーメンの件は確認できない。

 個人アカウントでの投稿が数件確認でき、コメントは多くて20件ほどで、コメント欄がグレーアウトして封鎖されていたり、コメント件数2と表示されているが、削除されてしまっているなどあり、どうやら検閲対象で言論統制されているようだ。

 中国政府は、最近より先鋭化しているネット民「小粉紅」の暴走でも懸念しているのだろうか。

中国人からのブーメン批判を恐れて「ガン無視」か

 EU基準では、EOと2-クロロエタノールの合計をEOとして表示している。台湾は、この世界で最も厳しいとされるEU基準を採用している。

 中国では2021年8月、農心のドイツ向けの海鮮湯麺からEU基準の148倍の発がん性物質検出と大々的に官製メディアが報じて炎上した。

 しかし、中国ではEOはもちろん、2-クロロエタノールの規制もない。

 以下、推測となる。もし、中国がEU基準で自国製品を検査したら…と中国政府が気づいてしまったのではないだろうか。

 疑念を持った一般の中国人が、中央政府を批判するブーメランとなることを恐れ言論統制して「ガン無視」を決め込むことにしたのではないだろうか。

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