恒例の新年の北朝鮮カレンダー
KWTでは北朝鮮カレンダー2023年を中国経由で入手した。
毎年この季節になると話題となる北朝鮮カレンダー。一昨年、昨年は輸出できなかったのか、北朝鮮で作られたカレンダーは、中国でも確認することができなかった。
しかし、2023年版は、北朝鮮で製造されたというカレンダーと21、22年版と同様に北朝鮮の暦や公式写真を使い中国で印刷、製造されたカレンダーの情報が入っている。
東京新聞が共同通信の情報として「北朝鮮、カレンダーで核戦力誇示 新型戦略兵器の写真も登場」という記事を12月24日に報じた。
紹介しているカレンダのーは3種類で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」が表紙を飾る戦略兵器カレンダーへ注目しているようだ。
発行元表記が本物と同じに
発行元表記が本物と同じに
今回KWTが入手したのは、東京新聞も伝えた平壌の都市風景(全ページ写真のみ)と自然風景をテーマにしたもの(現物)、加えて、最高指導者への贈り物を展示する妙高山にある国際親善展覧館の品々を紹介するやや長方形のカレンダーだ。
入手した中国朝鮮族の企業は、自然風景、展示品カレンダーともに中国で製造されたものと説明を受けたとのこと。事実であれば、「MADE IN CHINA」となる。
このカレンダーを販売した中国の貿易会社によると、北朝鮮製造のカレンダーも今年は少数輸入したが、すでに完売済みとのことだ。
というわけで、手元にあるカレンダーは中国製を前提に話を進めることにする。
中国製の2022年カレンダーとの違いは、表紙下に記載されている発行元が、「朝鮮民主主義人民共和国・外文出版社」となっている点だ。
22年版は、「朝鮮・平壌」とだけの記載だった。
発行元の外文出版社は、2020年までの北朝鮮製造のカレンダーと同じということになる。
本物に接近する中国製?
もう1点、大きな違いは、併記される外国語が中国語のみとなっている点だ。
コロナ禍前までの北朝鮮製造とされるいわゆる「本物」の輸出向けカレンダーは、中国語ではなく英語が併記されていた。
中国語のみの併記は、北朝鮮製造で国内販売の本物との説明で写真提供された平壌の都市風景カレンダーも同様である。
しかも、今年の中国版には、昨年までなかった北朝鮮の国旗と朝鮮労働党の党旗がそれぞれ9月と10月に確認できる。
過去2年発行された中国版は、国旗と党旗は載っていなかった。使用許可が出なかったのではないかと言われている。
もし、両旗の使用許可を得ることができたのであれば、2023年版は、より本物に近づいたことになる。
中国製と説明を受けた自然風景のカレンダーの白い金属製のリング、10月と11月が非常にめくりづらく、リングが外れる。
輸送時のダメージの可能性が高いが、過去の北朝鮮製のカレンダーと比較しても、このあたりは本物っぽさを感じさせてくれる。
素人目には、本物という平壌風景と中国製と言われた自然風景のカレンダーを見比べるも、ほとんど同じデザインのように思える…。
入手した中国企業は、全部で10種類ほどの中国製の北朝鮮カレンダーが確認できると話す。