中国共産党の求心力低下も
「辛いロックダウンに耐えたのは無駄だったとみんな言っています」
と話すのは、何度も都市封鎖(ロックダウン)を経験した遼寧省瀋陽の中国人男性だ。
この手の話は、監視されているSNSやすべ盗聴できる電話では気をつけているそうだ。そのため、直接、会った時に多くの人が口にする。
中国は、ゼロコロナ政策から世界の主要国の主流であるウィズコロナを飛び越えて、集団免疫獲得という「プラスコロナ政策」へと真反対に転換したとも言える。
中国共産党の機関紙で最も権威があるとされる人民日報の微博(ウェイボー)アカウントは、著名な医師の発言を連日発信している。
中国全土で薬不足が社会問題になっていることを意識してか、「新型コロナウイルスの薬はありますか?」という問いに対して、「新型コロナの特効薬はありません。発症した症状、発熱なら解熱剤、せきならせき止め、倦怠感なら風邪薬など対症療法で十分に回復できます」とFAQ形式で答えている。
しかし、この投稿は2時間ほどで確認できなくなった。「その解熱剤が手に入らない」という批判でも殺到したのだろうか。
ウェイボーの官製投稿を見ていると、コメントやいいね、転送(ツイッターで言うところのRT)の数、ウェイボーの投稿動画に表示される再生回数は、明らかに減っていると見て取れる。
プラスコロナ政策への極端な転換で、中国政府への失望感が高まり、中国共産党の求心力が低下している可能性がある。