鬼滅の刃の耳飾りが旭日旗に見えると全差し替えに
韓国 旭日旗排斥運動 冷え込む日韓関係と国民感情の悪化の中で発生の続き。
韓国でもファンが多いアニメ「鬼滅の刃・無限列車編」が2021年1月に韓国で公開された。
その際、主人公の耳飾りが「旭日旗」に見えるとして問題となり図柄が変えられた話は、このKWTでも取り上げられたことがある。
しかし、鬼滅の刃ファンなら誰でも知っている通り、この耳飾りは「花札イヤリング」と呼ばれ、花札の絵柄をモチーフにしたもので、旭日旗とは何の関係もない。
それにもかかわらず、韓国で上映する際は、コストと時間をかけ、耳飾りの部分だけすべて図柄を差し替えたのである。
日本の文化と伝統を否定する韓国
韓国のケーブルTVには、夜の時間帯に日本のドラマを流すチャンネルがあるが、このドラマを見ていて許せないと思ったのは、旭日を描いた大漁旗が画面に出てくると、必ずその大漁旗にぼかしを入れて、見えなくすることだ。
実際に目にした例で言えば、「釣りバカ日誌」のハマちゃんこと浜崎伝助(濱田岳さん)が恋人にアピールしようと歩道橋の上で大漁旗を大きく振り回すシーンでは、画面いっぱいに映し出された大漁旗にぼかしが入れられ、何が何だかわからない画面に変わっていた。
また、「孤独のグルメ」では、松重豊さんが大漁旗を製作する染め物屋を訪れるシーンがあり、その大漁旗で旭日のデザインにはすべてぼかしが入れられた。
花札も大漁旗も、日本の伝統的な文化だ。
しかも旭日のデザインは幸運の象徴として、誕生日や節句などハレの場で古くから使われてきた縁起物であり、日本だけでなく世界的に存在する普遍的な意匠でもある。
しかし、韓国では、あたかも旭日のデザインは見てはいけないもの、この世に存在してはいけないものとして、日本の文化や伝統を否定するだけでなく、人類の文化遺産も一方的に否定しようとしている。
民族の象徴、心のよりどころでもある旭日旗
日本人は、「日本書紀」にも書かれる通り、天照大神(あまてらすおおみかみ)という「太陽神」を皇祖神(皇室の祖とする神)とする民族であり、日本仏教では天照大神(てんしょうだいじん)を「大日如来」とも称して信仰の対象とする人々でもある。
天照大神が姿を隠していた天岩戸(あまのいわと)から再び姿を見せる場面では、まばゆい旭日の光が鮮やかに四方に広がるイメージとして絵画では描かれている。
また、古代邪馬台国の女王卑弥呼の名前は、実際は「日御子・日巫女(ひのみこ)」だと言われ、古代より太陽を信仰してきた民であることと関係があると言われる。
つまり、旭日旗も日章旗も、民族の象徴であり、日本人の心のよりどころであることを世界に対して示している。
旭日旗を排斥しようという韓国の人々の行動は、そうした日本人の心と誇りをあまりにも軽視し、馬鹿にしているとしか思えない。
小須田 秀幸(こすだ ひでゆき)
NHK香港支局長として1989~91年、1999~2003年駐在。訳書に許家屯『香港回収工作 上』、『香港回収工作 下』、パーシー・クラドック『中国との格闘―あるイギリス外交官の回想』(いずれも筑摩書房)。2019年から2022年8月までKBSワールドラジオ日本語放送で日本向けニュースの校閲を担当。「ノッポさんの歴史ぶらり旅」をKBS日本語放送のウェブサイトとYouTubeで発表している。