「むしろ感謝すべき」文在寅の反論
「むしろ感謝すべき」文在寅の反論
文在寅氏 北からの犬を離縁? 韓国前大統領もはや愛想も尽きたのかの続き。
保守系メディアの批判に対し、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は11月9日、自らのフェイスブックに反論を載せた。
文氏は、「法的根拠がないまま犬を飼い続けると法律違反になる恐れがある」「餌代のことを言う人がいるが、6か月間、医療費、移動費用、世話にかかる人件費などをすべて自分が負担してきたことにむしろ感謝すべきだ」「縁組とか離縁という人もいるが、縁組はむしろ自分が望んでいたことであり、今からでも縁組できるなら大歓迎だ」などと主張している。
犬の社会的な地位向上による言葉の変化
犬を食用にする習慣のある韓国では意外なことだが、近年、ペット(特に犬)の社会的な地位が高まっている。
ペットや愛玩犬という言葉は、差別的だとして伴侶動物・伴侶犬と言い換えられ、遺棄犬などの里親になることを人間の養子縁組になぞらえて「入養(イビャン)」と言う。
実際、文大統領は在任中、青瓦台の公式サイトにソンガンとコミを含めた伴侶動物たちの写真を載せ「私の家族」と紹介していた。
今回、韓国メディアが使った「罷養(パヤン)」という言葉は、養子縁組解消、離縁を意味し、文前大統領が「養子を離縁する冷たい人間」であることを印象づけている。
文前大統領は、これまでの飼育は「委託」であって「入養」ではなかった、本当は所有権の移転を含む「入養」を望んでいたと主張している。
なお、コミとマルの間に生まれたタウニは当面文氏の手元に残すという。
日本でもあった「マツタケ騒動」、北朝鮮の困った贈り物
朝鮮日報によれば、与党国民の力の金起炫(キム・ギヒョン)議員は、「金正恩(キム・ジョンウン)総書記の顔色をうかがっている時は、『とてもかわいがっている』かのような『ショー』をしていたが、不要になるとすぐにポイ」「豊山犬を捨てたように李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表も捨てるつもりではないのだろうか?」と批判したという。
北朝鮮からの贈り物といえば、2002年、日朝首脳会談で小泉純一郎首相(当時)が北朝鮮産のマツタケを贈られ物議をかもしたことがある。
マツタケは300箱ともいわれ、「ありがたく食べた」と言えば拉致被害者家族の反感を買うし、「食べずに捨てた」と言えば北朝鮮のメンツをつぶす。
結局、日本政府は明言を避けたが、焼却処理された可能性が高い。
文前大統領もまた、2018年に訪朝時、今回問題になった犬以外に、マツタケ2トンを贈られた。この時は離散家族約4000人に配ったそうだ。
退任後、これまでにない量のミサイルと飛ばし続ける金正恩総書記に対し、さすがの親北文前大統領も「愛想が尽きた」ということだろうか。
犬鍋 浩(いぬなべ ひろし)
1961年東京生まれ。1996年~2007年、韓国ソウルに居住。帰国後も市井のコリアンウォッチャーとして自身のブログで発信を続けている。
犬鍋のヨロマル漫談