丹東市民は北朝鮮の犠牲に?
中国は、新型コロナウイルスの感染対策として今や世界のどの国も行っていない都市封鎖(ロックダウン)をいまだに連発している。
中朝国境の丹東は1日午前5時からロックダウンが始まっている。
中国政府は、ロックダウン(封城)という言葉を事実上NGワードにしているので、中国国営や中国共産党系の官製メディアはもちろん、一般メディアでもロックダウンという表現は確認できない。
丹東では新幹線(高速鉄道)、長距離バス、市民の足である公共交通機関も運行を停止し、丹東空港も封鎖されて、丹東市民に対して厳しい外出制限を行っている。
経済活動を強制的に止めている状況なので、9月から再開した国際列車での中朝貿易も止まっているかと思われるが、3日夕方の日本テレビは、「中朝貿易関係者によると、中国側は、こうした中でもなお北朝鮮との貨物輸送を継続する構えを見せている」と報じた。
どこに取材した話なのか不明であるものの、早朝の丹東駅を出発して義州空港近くまで運搬している貨物列車を継続するかの決定権は、中国が握っていることを示唆するものだ。
「中央(北京)政府は、新型コロナ対策を理由に中朝貿易を再び止めることを(北)朝鮮側へ示して半ば脅しているんじゃないかと思います。政府としても異常な頻度で連発する朝鮮のミサイル発射や近日中にもと言われる核実験を不安定要因として不快に思っているからでしょう」(瀋陽の朝鮮族実業家)
コロナ禍の中国政府は、感染対策を名目にして個人のあらゆる権利の抑制など国内統制強化へ政治利用していることは、多くの識者が指摘している。
もしかしたら、同様に北朝鮮をよりコントロール下に置くために新型コロナを政治利用している可能性も考えられる。
だとしたら、丹東市民は北朝鮮のために犠牲になっていることになる。丹東市民が反発するのも無理はない。