退職後に働く高齢者がいない中国?
「北朝鮮の高齢者はどうやって生活?」という中国SNS投稿が注目されている。
投稿者は朝鮮族ではない中国人と思われ、あくまで旅行者が見聞きできる狭い範囲ではあるが、働く高齢者の姿に衝撃を受けたことがわかる。
この点は、日本を訪れた中国人からも日本の高齢のタクシードライバーを見てショックを受けたという感想をよく聞くことができる。
中国では、退職者が再び働くことはほぼない。仕事についての価値観が欧米に近く労働=罪や罰に近いからとも言われる。
仕事を生きがいや社会とのつながりと考える日本とはまったく異なっている。
当然、セミリタイアやFIRE(経済的自立と早期リタイア)を理想としている中国人が大半だろう。
中国の場合は、退職後に働こうとすると子供など家族が「高齢者虐待」などの批判を受けるので、家族が止めるケースも少なくないという。
現実的に中国は、4大卒でも就職がなく、若年失業率が高いので仕事自体がないという背景も大きそうだが。
以下で投稿内容をご紹介する。
多くが国営企業で働き起業を考えない北朝鮮人男性
北朝鮮というとなじみのない人も多いかと思う。北朝鮮は、私たちの中国と隣接しており、中国と同じく計画経済が行われている。
北朝鮮の人々の生活は、ほぼすべて国から提供されている。たとえば、住宅、仕事、食料も割り当て、配給されている。
また、一般の北朝鮮人の多くが国営企業で働いている。北朝鮮人の男性は、自ら起業したりして金持ちになろうとはしない。
私は北朝鮮を旅行し、開城を訪れた。開城は北朝鮮第2の都市であり、朝鮮半島の古都でもある。開城には長い歴史があり、高麗時代の遺跡などを見ることができる。
開城でもほとんどの人が国営企業で働いている。
屋台は女性の特権
その開城の住宅街で、興味深いものを見ることができた。開城の住宅街近くでは、おばあさんたちが屋台を出していたのだ。
観光ガイドによると、北朝鮮にも定年制があり、退職者は定年退職すると年金を受け取ることができるそうだ。
しかし、北朝鮮のおばあさんたちが屋台を出すことも少なくない。よく観察すると、多く場所で年配の女性が、屋台を出しているのを見ることができる。
ここで不思議なのは、北朝鮮で露店を出すのは中高年の女性ばかりで、露店を出すおじいさんはまず見かけないことだ。
どうやら北朝鮮では、屋台を出してお金を稼ぐのは女性の特権のようだ。
高齢男性は修理・補修ビジネスで稼ぐ
北朝鮮の街角で屋台を出して物を売っているおじいさんを見かけることは少ないが、開城では、おじいさんも別の方法でお金を稼いでいた。
開城のおじいさんたちは、壊れた自転車を修理したり、傷んだ靴や鍋などを補修したりしていた。
開城の住宅街では、壁際に座って自転車を修理しているおじいさんたちを多く見かけた。
彼らはとても良い商売をしていると思う。
北朝鮮では、自転車は非常に重要な交通手段であり、どの家庭にも必ずある生活必需品となっている。そんな北朝鮮では、自転車の修理需要が高いのだ。
北朝鮮のおばあさんは屋台を出し、おじいさんは自転車を修理して生計を立てている。
また、北朝鮮の人たちは、とても質素倹約な生活をしている。靴がだめになっても捨てようとは思わず、修繕してまた履くのだ。
だから、靴の補修も北朝鮮では立派な商売になっているのだ。
平壌の高齢者たちはのんびり生活?
開城の人々の生活は、まるで中国の1970、80年代の生活を思い起こさせてくれるようだ。
その一方、首都である平壌の高齢者たちは、開城の高齢者たちと比べるとずっとのんびりした暮らしをしているように思えた。
平壌の街角で、年老いたおばあさんが、露店を出してお金を稼ぐ姿を見ることは珍しい。
平壌の年配の男性たちは、将棋や釣りをするのが好きで、年配の女性たちは、集まってうわさ話をするのが好きなんだそうだ。
あなたは北朝鮮の高齢者の暮らしをどう思うのであろうか。