鴨緑江沿いに“ハコモノ”を建てた理由
中国の内陸都市在住者とみられる中国人による「国境の鴨緑江で丹東人の友人から聞いた北朝鮮」というSNS投稿をご紹介したい。
文中後半で触れられている「中国側の発展はすべてうそで、建物はすべて張りぼて」という話は、しばしば脱北者が語る脱北するまで抱いていた韓国の認識と類似点がある。
しかし、この話、一部正しい部分も含まれていると思われる。
2000年代前半までの丹東には、北朝鮮から見える中国領土の中洲や川沿いに簡易な“ハコモノ”があった。
鴨緑江沿いにハコモノを建てていたのは、北朝鮮に対して虚勢を張る意味もあったかもしれないが、鴨緑江の洪水対策もあったとみられる。
今でも丹東には、市街地への越水防止の鉄門やコンクリート塀が並んでいて、ハコモノは、それらをつなぐように点在していたからだ。
鴨緑江で友人が教えてくれた北朝鮮
私は子供の頃から北朝鮮には興味があったが、実際に行ったことはない。
北朝鮮について私が知っているのは、主にインターネットや友人からの情報となる。先日、仕事で丹東に行った時、丹東人の友人に鴨緑江を案内してもらった。
丹東は、北朝鮮の新義州と川を挟んで隣り合っている。鴨緑江のほとりに立つと、対岸が本当によく見える。
ここで私の友人は、北朝鮮に関する興味深い話をたくさん聞かせてくれた。
たとえば、こんな話だ。友人が言うには、北朝鮮の人々の生活はかなり厳しく、生活環境は良くない。また、北朝鮮の人たちは、夏になると川で水浴びをするのが好きだそうだ。
時には、何も身につけず、恥ずかしげもなく、男女が一緒に川で水浴びをしている姿を見かけることもあるとか。
この話を友人から聞いた時、北朝鮮の人々は、実はとてもオープンなんだと感じた。
北朝鮮は思ったよりも開放的な国
友人によると、夏の鴨緑江を見ると、必ずといっていいほど裸で水遊びをしている人がいるそうだ。
鴨緑江のほとりでは、ごみの山からごみ漁りをする子供たちを見ることも少なくない。
子供たちはとても無邪気で、遊覧ボートで向こう岸へ近づいた観光客が、食べ物を投げ入れることがあり、それを手にした子供たちは大喜びだ。
もちろん、食べ物を投げ入れることは失礼な行為だし、川沿いをパトロールしている北朝鮮兵に見つかったらトラブルになりかねないので、これを読む皆さんには絶対にやめてほしい。
私は、これまで北朝鮮は保守的な国だと思っていた。だが、友人の話を聞いてみると、思った以上に開放的な国だということがわかった。
中国の発展はすべて偽物?
冬になると、対岸の北朝鮮兵は、古い綿の防寒着に身を包みパトロールをする。北朝鮮の女性たちは、冬であっても川辺にしゃがんで洗濯をしている。北朝鮮の女性はとても働き者だ。
また、夜になると季節に関係なく、丹東対岸の北朝鮮側は真っ暗になる。
鴨緑江近辺で暮らす北朝鮮人たちは、「中国の経済発展はすべて偽物。朝鮮へ見せつけるためにわざと鴨緑江沿いに高い張りぼてのビルを建て、その背後に広がる地獄のような貧しい世界を隠している」と教えられ信じているそうだ。
この話はとても興味深い。
私の友人は、丹東で生まれ育った人間なので、北朝鮮のことをよく知っている。友人から私が今まで知らなかった北朝鮮の話をたくさん聞くことができた。