北朝鮮の独特な交通ルール

北朝鮮の独特な交通ルール

首都平壌は交通ルールでも特別扱いされている

 交通渋滞が社会問題の中国では、北朝鮮は自動車が少ない社会というイメージを持っている人が多いようだ。

 中国のSNSへ投稿された中国人もびっくりする北朝鮮の独特な交通ルールについてを紹介したい。

 投稿者が最も驚いたと紹介する交通ルールは、日本人が訪朝しても体験することができる。公にしていることなので、ガイドへ尋ねると理由は教えてくれる。

 このルールは、当然ながら北朝鮮で運転する外国人にも適応される。

 英国外交官の妻として2年ほど平壌で生活したリンジー・ミラー氏が、北朝鮮で運転免許を取得する時の体験としてインタビューで語っている。

 もし、興味があれば探してみてほしい。

自動車の多くが国有車

 国はそれぞれ交通法規がある。道路を走る時にはそれを守る必要がある。

 たとえば、飲酒運転はダメ、赤信号を無視してはダメ、スピード違反はダメなど…。交通法規に違反すると、簡単に事故が起きてしまうからだ。

 北朝鮮を旅行した時、平壌の街は、自動車が少ないにもかかわらず、ドライバーは交通ルールをよく守っていることがわかった。

 北朝鮮の道路は広くてまっすぐだけど、運転する時に気をつけることはあるのだろうか。

 北朝鮮は私の国と同じように、飲酒運転や赤信号を無視することは交通法規違反となる。北朝鮮では、赤信号無視を繰り返すと運転免許証を失うことになる。

 北朝鮮人が運転する自動車の多くが国家のもので、自家用車はほとんど存在しない。

 北朝鮮のドライバーが交通法規を破った場合、交通警察が記録し、ドライバーの所属組織へ通報される。

 そのため、ドライバーが交通ルール違反を重ねると、仕事にも影響する。それもあってか北朝鮮のドライバーは、非常に規則正しく運転している。

指導者像の前では減速の義務

 北朝鮮の街では、年季の入った車両も多く見かけるが、どの車もとてもピカピカだ。平壌で運転する場合、ドライバーは常に自動車をきれいにし、街の景観に悪影響を与えないようにきれいな状態を保たなければならない。

 また、平壌郊外から平壌へ入る車両は、事前に洗車をしなければならない。

 私たちが最も驚くのは、平壌市内のあちこちで指導者像、巨大な肖像画を見ることができ、ドライバーは、これらの銅像や肖像画の前を通る時には、敬意を示すため速度を落とすことが義務付けられていることだ。

 北朝鮮の自動車は非常にユニークである。左ハンドル車と右ハンドル車が混在しているからだ。街では左右のハンドル車が同時に走っている光景も見ることができる。

 そのため、北朝鮮のドライバーは、左右どちらのタイプの車でも運転できる必要がある。

 さらに北朝鮮では、昼間でも運転時にはライトを点灯することが義務付けられている。なぜ、このようなルールがあるのかはよくわからない。

歩行者や動物に注意が必要な高速道路

 もちろん、北朝鮮の道路にも信号機はある。だが、数は圧倒的に少ないので、信号機の代わりに交通警察による誘導が行われている。

 なので、北朝鮮で運転する時には、交通警察の手信号(ジェッシャー)を理解する必要がある。

 信号機のある場所に交通警察がいる場合は、交通警察のジェッシャーを優先して従い運転することが重要となる。

 平壌の街角に立つほとんどの交通警察官は若くて美しい女性だ。

 北朝鮮にも高速道路は存在する。しかし、中国と異なるのは、完全に封鎖されていないので、高速道路を運転する際には、路上の歩行者や動物に十分に注意を払う必要がある。

 そう、北朝鮮の高速道路には、ゆっくりと歩く歩行者もいる区間があるのだ。時折、高速道路を羊を歩かせている人も見かけるくらいだ。

記事に関連のあるキーワード

おすすめの記事

こんな記事も読まれています

コメント・感想

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA