日本へ入国できない
乗客7割ジャパン・パッシング 経由乗り換えでスルーするベトナム人の続き。
到着後、先に日本入国者が降りるようにアナウンスされる。降りたのは3割ほどだった。
降機時、CAに尋ねると、今回はおよそ7割がトランジット客で、入国せずに別の日本航空便へ乗り換えて多くが米国本土へ行くと教えてくれた。
「あああ、ジャパン・パッシングだ」と痛感した。
しかし、冷静に考えたら、現在、日本は団体旅行しかビザを発給していないので、観光目的の個人では入国できない。入国したくてもできないのは当然かと納得した。
これが主に短距離路線のみで、ロストバゲージのリスクも高く、経由での恩恵が少ない格安航空会社(LCC)だったら、もしかすると、ほぼ入国者しか搭乗していなかったかもしれない。
到着後の羽田空港では、搭乗口をぐるぐると歩き簡単な問診と唾液でのPCR検査を受けて、結果が出るまで40分ほど待機。陰性を確認して入国した。
手荷物のターンテーブルへたどり着いた時には、すでに到着から1時間ほど経過していたので、預けた荷物は1つだけポツンと置かれていた。
中村さんは、日本じゃなければ取られちゃうのではないかと苦笑い。その後、羽田空港から公共交通機関で帰宅し、翌日から5日間の待機も経験したという。
空港でのPCR検査も隔離費用も入国者負担にしたら?
中村さんは、10年ほど前に上海に駐在した経験もあり、2019年まで上海も定期的に往来していたので中国事情にも明るい。
「今、上海の知り合いたちは、『日本は入国ハードルは高いけど、PCR検査は無料だし、隔離も要請ベースで緩い。要請には従わずにすぐに動いても問題ない』と認識しています。今回、実際にMySOSの指示に従って待機を経験したのですが、『これで良いのか?』と疑問を持ちました。GPSを使った待機場所の確認や自動ビデオコールでの確認も決まった時間にあるので、その時間だけいれば良いし、スマートフォンを置いて外出して、『寝てました』と言ってしまえば、何の罰則もないって感じでしょう」(中村さん)
もし、10月以降も現行のルールで外国人訪日客に適応させるとしたら、全員が空港検疫と待機要請対象となる中国人対策も考える必要があると中村さんは話す。
「たとえばですが、入国する外国人は空港検疫を有料にし、待機も自主性に委ねるのではなく、指定ホテルで厳格に隔離。期間は現在のウイルスの特性を考慮して3日間ほどに短縮する。ポイントは隔離費用は隔離者に負担してもらう。そうすることで、中国人旅行者も多少の規範意識を持ってくれると同時に訪日自体への抑止力にもなると思いますね」(同)
新型コロナを一般の病気扱いにすると発表したタイ
新型コロナを一般の病気扱いにすると発表したタイ
19日、タイの公衆衛生省は、10月1日から新型コロナウイルス感染症を一般的な疾病扱いにすると発表した。
タイ国内のワクチンの接種状況や他国も含めた重症、死亡率の減少を鑑(かんが)み判断したと官報で伝えている。
他の主要国もこの動きに追随して世界的に新型コロナ感染症の見直しが加速していきそうだ。
フェーズが大きく変わったことは間違いない。
日本は10月以降、入国ルールや空港検疫、待機要請などをどう変えていくべきであろうか。
中国政府が、中国人約1億7000万人の海外旅行者(2019年)を解禁するまでの時間は、あまり残されていない。