ペロシ・米国批判一色の中国SNS

ペロシ・米国批判一色の中国SNS

台湾の蔡英文総統と会談するペロシ氏 出典 蔡英文公式ツイッター

 台湾、韓国に続き4日夜、日本を訪問した米国のナンシー・ペロシ下院議長は、現在も中国SNSの検索ランキングで上位になるなど話題となっている。

 現在、中国SNSでの批判の的は、ペロシ氏と米国、台湾が中心となっているが、日本の前に訪れた韓国についても話題となっているので、中国での反応を見てみたい。

 「観察者」は、民間メディアではあるが、政治色が強く愛国心を刺激するような記事も多いため、准官製メディアとみなされている。

 公式な官製メディアはないので、論調もやや過激で直線的な表現も多いようだ。

 その観察者が1884万人フォロワーを持つ微博(ウェイボー)へ4日の夜に投稿した記事が下記となる。

尹大統領から冷や飯を食わされたペロシ氏

 ペロシ下院議長は3日夜、アジア歴訪4番目の国として韓国へ到着した。しかし、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領からは冷や飯を食わされた。

 尹大統領は、休暇を理由にペロシ氏と会談せず、行方をくらませたからだ。そのため、ペロシ氏は4日午前、金振杓(キム・ジンピョ)国会議長と会談。その後、北朝鮮との軍事境界線である板門店の共同警備区域(JSA)へ向かった。

 朝鮮戦争休戦以降、北と南が軍事境界線を基準に南と北にそれぞれ撤兵し、非武装地帯を形成してJSAを設定。以後、対峙している。

 米AP通信は、今回のペロシ氏の板門店訪問は、トランプ前大統領が2019年に北朝鮮の最高指導者・金正恩(キム・ジョンウン)総書記との会談で訪れて以降、米国最高位の人物となったと伝えた。

中国配慮?で「尹を見直した」と評価するコメント

中国配慮?で「尹を見直した」と評価するコメント

ウェイボー検索ランキング1位の上に「これが中国の態度」なるキーワードが陣取る

中国配慮?で「尹を見直した」と評価するコメント

 この投稿に対して、197のコメントしか確認できない。フォロワー1884万人、しかも、燃え上がるほどの話題性を考えると非常に少ない。

 現在、投稿へ新規コメントは書き込めない。確認すると、表示されているコメントは3つしかないことから、中国政府がこの問題に神経質になって監視、検閲していることを感じさせる。

 また、163件が転送されているが、そこにも一言コメント(いわゆるリプライ)が確認できる。

 「平和を乱す戦争屋」「金正恩に会ってみろ」「挑発するな」「中国と戦争する気か」「狂人老女」「ウクライナの二の舞いか、恐ろしい」「米メディアの都合の良い報道」などペロシ氏への個人批判が多い。

 中には、「尹を見直した」「このままアメリカから離れろよ」「弟(韓国)をほめてやる」「尹は(北)朝鮮の友」など休暇を理由にペロシ氏と会わなかった尹大統領への言及も確認できる。

 日本では、尹大統領が中国への配慮で会談を避けたと言われているが、中国人たちは、尹大統領の行動を「中国の国益になる行動」だと肯定的に評価しているようだ。

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