日英仏韓中(繁)の5言語で作品再開を発表
7日、漫画家の三浦建太郎さんが急死したことで未完で終わると思われていた『ベルセルク』の連載再開が白泉社から発表された。
ベルセルクは1989年に連載が始まった息の長い作品なのだが、休載している期間も長くファンも長い年月楽しんでいた作品だ。
三浦建太郎さんが描くベルセルクは、世界中のファンを魅了したダークファンタジーの傑作として知られた。
白泉社の公式サイトへ掲載された「読者の皆さまへ」は、日本語、英語、フランス語、韓国語、繁体字の中国語(台湾・香港)の5言語で細長く掲載されている。
再開の経緯は、他のサイトに譲るとして、今回のニュースを喜ばしい、もしくは、複雑に感じているファンもいることだろう。
異形の国である中国による文化保護政策
韓国では聯合ニュースが報じて、多くのコメントが書き込まれている。
さらに、連載当初、90年代半ばにはコミックを発禁とし、2012年公開の映画『ベルセルク 黄金時代篇』も上映されていない中国のSNSでもベルセルク連載再開についての投稿が確認できる。
ベルセルクは、主人公ガッツが異形の者たちとの厳しい戦いを描く壮大な物語なのであるが、現代の異形の国である中国は、習近平政権になった2015年に中国文化保護政策として、日本の人気アニメ『進撃の巨人』や『デスノート』『寄生獣』など38のアニメがブラックリストとなり、インターネットも含めた放送を禁止した。
アニメ版が禁止なので、当然、原作漫画であるコミックも発禁となった。ベルセルクは、それよりも20年以上前に発禁となった大先輩なのであるが…。
38の日本アニメを禁止した理由は、青少年への悪影響のためとされたが、それは建前で、本音は国内アニメ産業の保護と育成が目的だと言われている。
世界で2番目にベルセルクファンが多い(?)韓国の反応
7日の聯合ニュースのコメント欄には、
「万歳」「日本が漫画・アニメ王国になったのは、こんな人たち(三浦さんのアシスタント)がいるからだ。この点はもっと見習ったほうが良い」「いくらアシスタントたちが優秀でもあの画力が出せるのか?」「神秘的なグリフィスは…」
と意外と肯定的なコメントが多い。さすが、昨年、三浦さん死去の時にネイバーブログで、「韓国は世界で2番目にベルセルクファンが多い国」と豪語していたブロガーがいただけのことはある。
ベルセルク自体がSNS検閲対象になるかも…
中国では、SNS微博(ウェイボー)へ白泉社からの繁体字の説明文や今後、監修を務める森恒二さんのツイート画像を投稿して伝えている。
最も多い投稿には328コメントが確認できる。
「感涙」「え?台本あるの?」「三浦老師(先生の意味)の意思を継いで完結させて」「このまま未完のままで良いかも」「三浦先生の絵をまねするの無理でしょ」「森恒二って誰?」
韓国に続き、中国も思ったよりも肯定的なコメントが多く驚かさせれる。
このうち何人が、コミック最新巻まで香港からわざわざ取り寄せて読んでいるかはわからないが、中国人もベルセルク連載再開に注目しているようだ。
心配なのは、あまりSNS上でベルセルクネタで盛り上がると、“社会を秩序を乱す”と判断され、ベルセルク自体がSNS上でも検閲対象になってしまうかもしれない。
ベルセルクと書き込んだ瞬間に削除、個人特定され拘束…などならないように願いたい。