元HKT48の宮脇咲良が所属する6人組

元HKT48の宮脇咲良が所属する6人組

LE SSERAFIM(ルセラフィム)。右下がカズハ、右上がサクラ 出典 LE SSERAFIM公式韓国語ツイッター

 5月2日、世界中で好まれる存在となった韓国ポップミュージック(K-POP)でまた日本人メンバーを含んだ新ガールズグループがデビューし、韓国、日本のみならず、東南アジアでも注目されている。

 特に日本人になじみの深いタイでは日本人メンバーがファンの目に留まっている。

 この日デビューしたのは「LE SSERAFIM」(ルセラフィム)で、日本人2人を含む6人組のガールズグループだ。

 日本人の1人サクラは、日本のアイドルグループ「HKT48」に所属していた宮脇咲良で、卒業後にK-POPに転向。すでに多くの日本人に知られた存在だ。

 もう1人はカズハで、オランダにバレエ留学中にスカウトされたという異色の抜擢でデビューしている。

 タイでもK-POPは人気があり、すでに口コミやネット上でもLE SSERAFIMは話題に上がっている。

第4世代の中でも注目を浴びる日本人メンバー

 サクラはHKT48卒業以前にも「IZ*ONE」(アイズワン)というグループで韓国デビューしており、タイ人ファンの間にもすでに熱心なファンがいる。

 ネット掲示板では、どのグループに所属していたサクラが好きかというスレッドが立ちあげられていた。

 現在24歳のサクラは、10代前半に日本の芸能界でデビューしており、この世代の女性によくある外見の変化が話題になりやすい。

 ただ、総合的には、現所属のLE SSERAFIMのサクラが「セクシーで好き」という声が多い。

 一方、同じネット掲示板には、「K-POPアイドル第4世代ではどの女性アイドルが好きか?」というファン同士がそれぞれ5人を挙げる問いかけに対し、LE SSERAFIMでデビューとなるカズハを1番に挙げるタイ人ファンが多かった。

 芸能生活の長いサクラよりもデビューしたばかりで経歴や実力などがベールにまだ包まれている新人日本人メンバーが健闘している。

 いずれにしてもLE SSERAFIMは出足好調といったところか。

K-POP業界も無視できない熱いタイ市場

 K-POPアイドルは、1990年代後半を第1世代とし、日本や東南アジアで人気を博し、日本デビューも果たしている「少女時代」や「KARA」(カラ)などが第2世代に当たる。

 タイ人メンバーを含む「BLACKPINK」(ブラックピンク)、日本人3人がいる「TWICE」(トゥワイス)、世界的に注目される男性グループ「BTS」が第3世代だ。

 現在は、第3世代がK-POPの中心的存在で、これを第4世代が追いかける。

 LE SSERAFIMはBTSが所属する総合エンターテインメント企業HYBE(ハイブ)傘下のソスミュージックからデビュー。K-POP界における売り出し方のノウハウは十分にある。

 タイは東南アジアの中でも熱心なK-POPファンが多い。

 ファンの中には推しているアイドルの誕生日にポケットマネーを使って電車のラッピング広告でお祝いメッセージを送るなど、K-POP業界も無視できない市場だ。

 タイのファン向けメッセージ。

日本で下積みして韓国発で世界へ…に

日本で下積みして韓国発で世界へ…に

日本観光関連イベントではいち早く地下アイドルが招待され大盛況。いわゆる「オタ 芸」まですでにタイに輸入されている

 2000年代初頭までは、テレビの音楽番組などで日本のJ-POPも放送されていたが、今はほとんど見かけない。ただ、日本人歌手が注目されていないわけではない。

 2013年に短期ビザの免除でタイ人が日本旅行をしやすくなった今、タイ人の中には何度も日本へ渡航し地下アイドルなどを追いかけるファンもいる。

 彼らの中には「アイドルの王道はメジャーデビューしている人かもしれないが、J-POPはK-POPにかなわない。王道はK-POP。日本アイドルは地下が良い」という意見もある。

 この意見が大多数だとすればだが、サクラの日本芸能界からK-POPへ活躍の場を移したのは大正解で、今後、日本で下積みをし、韓国から世界に羽ばたくことを目指すのが日本のアイドルの道になるかもしれない。

高田 胤臣(たかだ たねおみ)
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)など、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)

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