人身売買される中国に潜伏する脱北者

人身売買される中国に潜伏する脱北者

愛の不時着は中国でも知名度はあるようだ

 「リアル愛の不時着になるかも?」

 中国でも韓国ドラマ「愛の不時着」は話題となった。ただし、中国政府の規制もあってか、日本のような大ブームになってはいない。中国朝鮮族や一部の韓国好きの間という限定的なブームだったが人気を博した。

 愛の不時着は、韓国人の女性令嬢と北朝鮮人の男性軍人がというストーリーだったが、北朝鮮人の国際結婚は、駆け落ち的な、それこそ命がけの行動だと朝鮮族では認識されていた。

 北朝鮮と国境を接する吉林省には、脱北者が20万人とも30万人とも潜伏しているとされる。その中には、人身売買で農村へ送られて中国人男性と結婚しているケースもある。

 当然、非合法な結婚なので、その北朝鮮人女性は中国国内では存在していないことになる。

 そうでなくても人権や権利意識も非常に希薄な中国。人身売買で非合法に結婚させられた北朝鮮人女性たちは、基本的な人権も持ち合わせない弱い立場に置かれた存在となる。

北朝鮮人女性と合法的に結婚したと主張する中国人男性

 そんな中国で朝鮮族を中心に話題となったある動画がある。

 元々は中国発の動画投稿アプリTikTok(ティックトック)中国版の抖音(ドウイン)へ投稿されたものだ。

 中国人男性が、1分40秒ほどの動画内で北朝鮮人女性と合法的に結婚したことを報告している。


中国人の私が北朝鮮人女性と結婚してみた(日本語字幕付き)

 まず、中朝それぞれのパスポートの表紙を提示。次に顔写真のページを示し、男性の出生地は中華人民共和国遼寧省。女性は朝鮮民主主義人民共和国平壌であることを映し出す。

 その上で、中国人男性は、女性が正真正銘の北朝鮮人であると強調している。

 その後は、平壌の保衛部で取得した結婚に必要な書類。平壌の中国大使館で発行した中国語の書類などを原本であると前置きして次々と映し出していく。

最後に新郎新婦で顔出しも

 最後には、男女2人で顔を出し、「私たち2人ですが、まだ中国の結婚証明書がありません。なぜなら、この2種類の書類があれば中国の結婚証明書は必要ありません。赤い本(中国の結婚証明書)を意味するものではありません。よって私たち2人の結婚証明書は、問題なく正常です。中国国民の結婚時の証明書とは異なっています」と説明。

 結婚自体は合法であると重ねて強調して動画は終わる。男性の背後では、新婦となった北朝鮮人女性がカメラ目線でほほえむ。

 韓国人ではなく、中国人(朝鮮族)であり、男女も逆など愛の不時着とはシチュエーションは異なっている。

 しかし、北朝鮮人が北朝鮮国籍者以外と結婚できるという事実は、朝鮮族に非常に大きな衝撃を与え、リアル愛の不時着との声が上がっているのだ。

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