産地や賞味期限偽装が常態化

産地や賞味期限偽装が常態化

製造年月日は2021年12月15日と表記されているので賞味期限は6月15日となる 出典 タオバオ

産地や賞味期限偽装が常態化

賞味期限4か月の北朝鮮大同江ビール? 高コスパの缶を推したいが…の続き。
 
 北朝鮮の大同江ビールの賞味期限は瓶と缶で異なっている。

 瓶は1年間、缶は半分の半年間となっている。そのため、中国側の輸入総代理店である丹東中威工貿有限公司は販売に苦慮している。

 ビールの賞味期限を調べてみると、日本は瓶も缶も9か月間。サッポロビールのみ1年間へ延ばしており、他社も賞味期限を1年間へ延ばすことを検討していると報じられている。

 中国は瓶も缶も賞味期限1年間で販売されているビールが多い。一部の高級ブランドビールで半年というのも確認できるが、ほぼ1年間となる。

 現在でも世界的な偽物大国である中国は、消費者も本物か偽物かに敏感になっている。ECサイト最大手の淘宝網(タオバオ)も日本からすると意外に思えるほど出店者に対する偽造品対策が厳しかったする。

 ところが、偽物対策は厳しいものの、産地や製造年月日、賞味期限などの改ざんへの監視や規制は緩く、日常的に行われている。

 先日、取り上げた台湾パイナップルも明らかに産地を偽装して中国国産パイナップルとして販売していることが確認できる。

 そう考えると、ラベルを張り替えて賞味期限の偽装なり、勝手に延長などもやりそうであるが、販売期間が短くて悩むということは、偽装はしていないのだろうか。

ほぼビールしかない中国のリアル

 いまだに中国に甘い幻想を抱いてる人の中には、中国は食の大国、アルコールも豊富でおいしいと思っている人もいる。

 しかし、現実の中国で楽しめるアルコールは、ほぼビールしかない。ビールしかない代わりに種類は豊富で、ドイツビールなど外国産ビールも青島ビールとほぼ同額くらいで安く買うことができる。

 中国はビール党には良いが、ビールが苦手な人には飲める酒が高く少ないのが中国リアルだったりする。

 また、中国の飲食店には、日本のように生ビールがないので、提供されるビールは瓶が主流となっている。

 瓶ビールが主流な理由の1つは、中国の乾杯文化も影響していると思われる。瓶ビールは、いわゆる、飲みニケーションに重要な役割を果たしているからだ。

 生ビールは一部のバーや日本料理店などにあるくらいの少数派なので、中国において大同江ビールは、まだまだ瓶でも勝負できそうだ。

 それでも、運搬の利便性や軽さなどから缶ビールのシェアは高まっていて、日系やローカルのコンビニエンスストアなどは、缶ビールが多くの棚を占めるようになっている。

 日本人的には、缶ビールでも中国の乾杯文化は満たせそうであるが、中国人からは、「缶では合わない」という声も耳にする。

再び直接丹東へ輸入されれば値下げも?

再び直接丹東へ輸入されれば値下げも?

上海の輸入アルコール販売店

再び直接丹東へ輸入されれば値下げも?

 大同江ビールの代理店契約を検討している遼寧省大連の朝鮮族実業家は、大同江ビールはもっと安くならないと中国での競争に勝てないと語る。

 「今、一番安い大同江ビールの缶で15元(約300円)くらいなんですが、これでも缶の青島ビールの3倍以上しています。せめて、今の半額くらいにならないと一般の中国人に大同江ビールを売れるのは難しいと思いますね」

 とはいえ、輸入量にも限度はあるだろう。コロナ禍になってから現在に至るまで大同江ビールは、山東省の龍口港というあまり日本人には、なじみがない港へ海上輸送されている。

 丹東中威工貿有限公司のお膝元の丹東へ国際列車など陸路では輸送されていない。

 新型コロナウイルス収束後、再び陸路で直接丹東へも大同江ビールが輸入されるようになり、安定した物量が確保できるようになれば、値下げなども期待できると前出の朝鮮族実業家は考えているようだ。

記事に関連のあるキーワード

おすすめの記事

こんな記事も読まれています

コメント・感想

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA