ウェイボー投稿へコメント殺到するもグレーアウトに

ウェイボー投稿へコメント殺到するもグレーアウトに

コメント欄が封鎖された人民日報のウェイボー投稿

ウェイボー投稿へコメント殺到するもグレーアウトに

 「韓国世界1、いや、宇宙1おめでとう」

 そんなコメントが中国SNS微博(ウェイボー)で確認できる。

 韓国政府が発表した16日の新型コロナウイルスの新規陽性者数は62万1328人。前日比で22万人以上増え、過去最多を大きく更新した。重症者数は1159人、死者は429人で死者数も最多を更新している。

 中国共産党機関紙の人民日報など官製メディアだけでなく、韓国・聯合ニュースや中央日報など韓国メディアのウェイボーアカウントも韓国の感染状況をウェイボーへ投稿している。

 17日の午後5時頃までは、書き込まれたコメントが確認できたが、中国政府にとって“良くない状況”になってきたのか、多くの投稿のコメント欄がグレーアウト。コメントも0件となった。

 現在、一部の官製メディアを引用した投稿などはコメントが確認できる。

 しかし、これらもコメントが増えると「整理整頓」されるかもしない。

「韓国政府は防疫を放棄したの?」

 書き込まれたコメントには、「韓国の人口って何人だっけ?」「中国に換算すると何人くらいに相当?」「1日での死者400人…、地獄だ」「韓国政府は防疫を放棄したの?」「米国も日本も超えたね!」「韓国政府のピーク予想33万人をすでに大きく超えてるじゃん。無策なの?」などが確認できた。

 現在、中国で都市封鎖(ロックダウン)を実施しているのは、広東省深センや吉林省長春だけではない。

 新規陽性者が中国全土で増加しているため、陽性者が確認された居住地やオフィスビル、学校などが建物、敷地単位で丸ごと封鎖されている。部分的なロックダウンが各地で行われているのだ。

 中国国営や官製メディアが言及したり、コメントを書き込めたのは、中国政府が、今も継続するゼロコロナ政策が「正しい」ことを国内へアピールする狙いがあったのだろう。

 韓国の感染状況について盛んに発信し、韓国政府を批判するように世論誘導したり、官製の火付け人を投入して、炎上させたのだとみられる。

 中国共産党のゼロコロナ政策を正当化し、中央政府へ批判が向かないようにしたいとの思惑が透けて見える。

削除されたくない心理を利用して中国人を誘導?

 ロシアによるウクライナ侵略についても中国のSNS上では、プーチン大統領を持ち上げたり、ロシアへ肩入れしたり、ウクライナを米国の傀儡政権だと批判したりするコメントを多く目にする。

 中国政府は公にこのような見解を示していない。しかし、SNSを使って中国人をそのような方向へ誘導しているふしがある。

 たとえば、ウクライナ擁護やロシアを批判するコメントはさくさく削除される。

 結果、残されるコメントは、ロシア擁護、ロシアびいきのコメント、あとは中立的なコメントのみとなる。

 削除されない。つまり、政府公認と中国人は理解する。そうすると、自分のコメントが削除されないように政府公認の内容へ内容へと傾いていくのが自明の理だろう。

 中国当局は、せっかく書き込んだ自分のコメントを削除されたくないという誰もが持つ当たり前の心理を巧みに利用している。
 
 もちろん、中国人全員が同じように考えているわけではない。

 先日、ツイッターでバズった「“ウクライナ人の花嫁”を欲しがる中国人男性が武力侵攻後に急増した理由」も中国政府への忖度が生み出したものだと思われる。

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