中国人も羽生結弦に大注目
中国人も羽生結弦に大注目
「羽生結弦の三連覇は実現しますか?」というハッシュタグが中国のSNS微博(ウェイボー)話題のハッシュタグ6位にランクインしている。
このハッシュタグは2月8日に作成後、すでに閲覧数1億6000万回を超えている。
他にも「羽生結弦は4A(4回転半ジャンプ)できるか?」や「なぜみんな羽生結弦が好きなんだ?」など複数確認できる。いずれも肯定的な内容だ。
本日、いよいよフリーが行われる。注目の羽生選手は、日本時間の午後1時15分頃に登場するという。
羽生選手は、中国では「柚子」と呼ばれている。柚は名前のゆずから、子は日本語の〇〇ちゃんのような親しみを込めた呼び方。
現代中国語には、子をつけて〇〇ちゃんの意味はない。おそらく中国でも人気の「ちびまる子ちゃん」の影響だと思われる。
中国版ちびまる子ちゃんは、「櫻桃小丸子」と呼ばれ、〇子は日本人を意識した表現として男女問わず使われている。
中国語で年下や後輩などを親しみを込めて呼ぶ時には、小李とか小王とか名字の前に小を付けて呼ぶことが一般的だが、羽生選手は日本人なので、柚子となったのではと思われる。
プーさんシャワーは?
話は脱線したが、羽生選手と言えば、ファンからリンクに投げ込まれる大量の「くまのプーさん」で知られる。
中国では、そのくまのプーさんが容姿激似の習近平国家主席を指す隠語として使われていた。しかし、現在、NGワードに指定され、中国のSNS上ではメッセージはもちろん、検索もできない状況になっている。
今回の北京冬季五輪でのくまのプーさんは…と思って調べると、習氏への配慮は関係なく協賛企業以外のロゴや広告を制限する五輪憲章によって、羽生選手は私物のくまのプーさんグッズも持ち込めないようだ。
それでもファンがリンクへ投げる「プーさんシャワー」は自由だろう。しかし、中国政府は何かしらの理由をつけて禁止にするとみられる(無観客なので一般人は皆無か)。
あくまで中国共産党の党利優先
羽生選手が中国で人気があるのは、中国政府お墨付きだからだ。
日本では、羽生選手が世界屈指のトップアスリートであることに加え、優れた人間性が中国でも高く評価されているからだと思っている人もいるようだ。
しかし、誤解を恐れずに書くと、中国政府が羽生選手を内政へ利用できる選手とみなし、ホワイトリストに入れているからにすぎない。これが事実であろう。
一説では、2017年のフィンランド・ヘルシンキで行われた世界選手権で、3位の中国選手が持っていた国旗が反対だったことに羽生選手が気づき、戻すのを手伝ったことが中国で大々的に報じられた。これによって中国での人気が高まったと言われる。
現実的には、中国共産党が国内統治に利用できるとの判断が働いているのであって、あくまで、中国政府の都合でのお墨付きなのだ。
中国共産党にとって党利が最優先であり、素晴らしい人間性は、後付けの理由に過ぎない。
中国の党利党略などはさておき、羽生結弦選手の素晴らしい演技に期待しながら応援したい。