冬季五輪直前の北京。エンデミックと繰り返す
30日、北京当局は、29日に新型コロナウイルスへ陽性が20人で確認されたと発表。これとは別に外国からの入国者3人の陽性も確認したことも合わせて発表している。
いずれもオミクロン株ではなく、各官製報道には、エンデミックであることが強調されている。あくまで地域限定の感染であり、パンデミック(国家的大流行)ではないという中国政府の意向が反映されているとみられる。
オミクロン株は、日本でも過去最大の8万人以上の陽性者を出すなど、世界的に感染力が強いことが明らかになっている状況で、陽性者20人は、少なすぎるのではないかという疑問の声が上がっている。
中国政府が、オミクロン株ではないと強調しているのは、確認された新型コロナの陽性者は、あくまでエンデミックであり、しかも従来株であると強調することで、開幕が間近に迫る北京冬季五輪へそのまま突入したいからだろう。
29日に確認された陽性者20人は、北京市豊台区南三環西路85号など居住地や職場などが具体的に公開されている。
ゼロコロナ政策の中国では、この個人情報の公開により特定された陽性者に対するネット上の攻撃やリアルな差別、暴力が深刻な社会問題になって久しい。
しかし、日本も含めて世界の人権を重視する人たちから問題視する声は聞こえてこない。
29日、入国者で陽性が確認されたのは、韓国人2人、ロシア人1人。外国人は中国在住者ほど個人情報が把握されていないためか、公開される個人情報は少ない