175km先の感染で病院が封鎖された大連
8日現在、中国ではオミクロン株は確認されていない(香港では確認済み)。
これについて、中国大連在住のある日本人経営者は、「仮にオミクロン株への感染者が確認されたとしても発表しないのでは?」と話す。
11月上旬、大連中心部から175キロ・メートル離れた大連市庄河で、新型コロナウイルスへの新規陽性者が確認された。
大連はそれによって市民生活へ大きな影響が出るも、庄河での新規陽性者がゼロとなり、大連中心部の中リスク地域は、4日に低リスク地域へと変更された。
感染確認地の庄河は、日本人も多く住む大連中心部と別経済圏と離れていたが、この影響で大連市内のバーやクラブは、営業停止となっていた。
現地在住者によると、バーなどは、先週土曜日から一部の店が営業再開したという。
他にもこの1か月ほどは、大病院が事実上封鎖されたそうだ。新規の診察も通院、入院もできない状態となっていた。この間、持病が悪化して亡くなった人は、いないのだろうか。
ゼロコロナ政策は誰のため?
中国政府は、いまだにゼロコロナ政策を感染対策の柱としており、徹底した感染対策を実施しているように思える。しかし、新型コロナ対策を中央政府が、強権を見せつけることによって、求心力を高めるために内政利用している一面も色濃く見え隠れする。
現在、中国の新規陽性者は、内モンゴル自治区や黒龍江省で確認されていると発表している。
これらの統計は、すべて中国政府の強力な統制下に置かれている。加えて、マスコミへの統制も強化しているので、官製報道以外の新規陽性者についての情報は、出すことができなくなっている。
もし、中国でオミクロン株への感染者が確認されるとしたら、中国国外からの入国者となろう。そうすると、オミクロン株が確認されても、本人にも伝えず、そのまま強制隔離で治療すれば、隠蔽(いんぺい)することは容易であろう。
北京冬季オリパラまでオミクロン株ゼロで突っ走る
北京冬季オリパラまでオミクロン株ゼロで突っ走る
今、中国政府の頭の中は、中国人の命や生活よりも、来年2月の北京冬季五輪・パラリンピックを予定通り開催させることでいっぱいだろう。
米国やオーストラリア、ニュージランドは、すでに外交的ボイコットを表明し、元から外交的ボイコットを支持していた英国やカナダもこれに続く可能性は高い。
中国政府は、外交的ボイコットでも選手が派遣されれば、問題なくオリパラは実施できると強気の姿勢を崩していない。
しかし、こんな時だからこそ頼りになりそうな北朝鮮は、今回の北京五輪への参加が認められず不参加となる。
中国政府は、“同志”北朝鮮の不参加をちょっと痛いと思っているのかもしれない。
いずれにしても、中国は、このまま内政目的のゼロコロナ政策を維持したまま、オミクロン株もゼロで北京五輪まで突っ走りそうだ。