北朝鮮滞在は最低3日間必要
中朝国境の鴨緑江のすぐ対岸にある北朝鮮の新義州は中国人向けに例外処置のビザなし観光が解禁されて以降、新義州観光で盛り上がっているが日本人や他の外国人には解禁されず新義州のみの滞在は難しい状態が続いていた。
2015年12月、日本人にも日帰りや1泊2日での新義州観光が認められて新しい北朝鮮観光の兆しを感じさせるもわずか半年足らず事実上の終了となり以降、3年ほど中断していた。
その間も先に平壌へ行き、その帰りに新義州で下車して新義州で1泊するというコースに限れば新義州観光はできていたが、北朝鮮滞在の最低日数である2泊3日が最小日程であり、現地では平壌から動向する朝鮮国際旅行社が担当となる。
簡易ビザで行ける新義州は例外的に日帰りの短期滞在ができる
それが先月末に突然解禁されたとの情報が入ってきた。丹東の旅行会社へ確認すると、確かに日本人を含む中国人以外の外国人へ新義州日帰りや1泊2日ツアーが再開されたことが確認できた。担当する旅行会社は、新義州妙香山旅行社となる。
北朝鮮では、外国人の観光ビザの手続きの関係で2泊3日以上の滞在が必要となるが、新義州は特別な簡易ビザ(中国人はビザなし)を使用するため日帰りや1泊2日での短期滞在が可能となる。
中国人の一部国家公務員はパスポートが所持できない業種があるため新義州ビザなし観光は彼らにとっては気軽に行ける「海外旅行先」として人気がある。
1泊2日6万5000円の北朝鮮短期旅行のニーズは?
パスポートの事情は異なるが、日本人にも日帰りや1泊2日は北朝鮮ツアーはニーズがある。平壌まで行き最低滞在日数2泊3日、中国滞在も含め5日間の時間が確保できないや北朝鮮に滞在している間の3日間の電話連絡や電子メールが使用できない音信不通の状態は、「仕事上無理」という人がいるからだ。
北朝鮮へ行ってみたいが、音信不通の日数が3日間は厳しいので、せめて1日や2日という人たちからの問い合わせが旅行会社へ定期的に入るという。そんな人たちにとっては新義州日帰りツアーや1泊2日ツアーは魅力的なのだ。
しかし、問題は旅費だ。日本人の北朝鮮旅行を手配する大連の旅行会社によると1泊2泊の新義州ツアーで6万5000円するとのこと。これはベース金額が決まっているため中国のどの旅行会社でも同等か、人件費が高い日本の旅行会社だとそれ以上になると思われる。
国連制裁対象外の観光業で外貨を稼がせるための中国の支援か
6万5000円は1人参加の1人ツアーの旅費なので、複数人での参加だとグループ割が適応されると思われるが、まだ再開後の申込みがないので、何とも言えないと旅行会社関係者は話す。
それにしても、なぜこのタイミングで突然、日本人向けの新義州ツアーを再開したのか。北朝鮮側の意向だけではなく、国連制裁に抵触しない観光業を通して北朝鮮を水面下で支援したいという中国側の意向も働いていそうだ。
Chinese TV host travels to Sinuiju, North Korea 新义州 朝鲜
日本人撮影の動画だと見つからないので、中国語で探してみると大量に新義州ツアーの動画がヒットする。
中国人ユーチューバー(正確には中国では「ユーチューブ」へアクセスできないのでユーチューバーではなく網紅=動画サイトへ投稿するインフルエンサー)が4時間ほどの新義州滞在をリアルに伝えている。
中国人だから撮影許可されるような動画で、丹東から10分ほどで到着し、北朝鮮の美人と一緒に踊ることができると音声説明がある。高麗航空のキャビンアテンダントような制服を着る北朝鮮の女性たちは中国語を流暢に話している。