今まで外国人は平壌地下鉄に乗車できなかった?

今まで外国人は平壌地下鉄に乗車できなかった?

8月15日付の労働新聞 より(提供 コリアメディア)

 北朝鮮外務省は、平壌の22の観光地や施設への外国人訪問を許可したと在北朝鮮ロシア大使館が発表した。

 この情報は、フェイスブックページで9日、公式サイトは10日にそれぞれ発表されたもので、北朝鮮外務省から在北朝鮮ロシア大使館がメモで受け取ったとのこと。

 新型コロナウイルス感染症対策下で追加で許可されるのは、凱旋門や主体思想塔、平壌地下鉄、メアリ射撃場、テコンドー聖地センターなど22か所で、これまで許可されていた299か所と合わせて321か所となったという。ここには小売店なども含まれている。この件を韓国メディアは、北朝鮮が外国人向けの観光を一部再開させる動きかと報じた。

謎の華僑も続々と出国

 中国の北朝鮮旅行の代理店へ確認すると、「観光再開の話はまったくありません。この話も伝えられていませんので、外国人観光客向けではなく、平壌在住の外国人向けの情報なのではないでしょうか。もっとも平壌に駐在する外国人は、かなり減っていると聞いていますが」

 旅行代理店代表によると、実数は不明であるが、北朝鮮生まれ、北朝鮮育ちの中国籍の人たちたちを中国では「華僑」と呼び、中朝貿易などで中国側との窓口になることが多いが、この架橋たちもこの1年半で中国への出国が増え減っていると聞いているとのこと。

 日本語での華僑の定義とは異なる華僑たちは中国籍であるが、中国には、ほとんど住んだことがないので、中国は実質的に外国に近く、かなりストレスを感じているようだと話す。

 華僑の実態に謎が多いのは、漢民族はもちろん、朝鮮族とも接点を持つことが少ないからだ。中国人でありながら中国人とは接点を持たず、華僑同士か北朝鮮人たちとつるんでいるため、その実態は朝鮮族の間でもよく知られていない。

中国製ワクチン接種済みでも隔離免除なし

 「訪朝再開どころか、経由する中国では入国後に21日間のホテルでの強制隔離を行っています。宿泊費も検査費用も隔離者負担で前払いです。昨年まで認められていた外からの差し入れやデリバリーでの注文も食中毒防止を理由に禁止されたので、かなり厳しいですよ」(同)

 東京オリンピックを終えて帰国した中国人選手たちが上海や広州などで21日間の隔離生活に入っていることがニュースでも報じられている。金メダリストでも例外なく隔離されるのだ。

 また、大連など一部都市では、さらに7日間を追加した28日間隔離を実施している都市もあるな非常に厳しい。

 中国が使用を認めないファイザー製ワクチンなど接種を完了してても、当然ながら隔離は免除されない。それどころか、中国製のワクチンの接種を終えていても隔離期間の短縮は行われていない

 少なくても今回の東京オリンピックへ出場した中国人選手や関係者たちは、全員中国製ワクチンの接種を終えているはずだが、一律に隔離されていることからも明らかだ。

 中国では海外旅行どころではないのだろう。

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