韓国人駐在員がターゲット顧客
異質だらけのパタヤ北レス 北朝鮮経営のホテルだった?(1/3)の続き。
木蘭レストランは、周辺にある工場の韓国人駐在員をターゲットに平日よりも土日になると昼間から混み合うレストランだったようだ。韓国人客らはゴルフ帰りの打ち上げなどに利用していると木蘭のスタッフが話していた。
北レス木蘭は、マグノリアスホテルの建物、中庭のプールを挟み道路側にあった。ホテルの敷地へ入ってすぐの場所にプレハブのような長方形の建物の2階部分が北レスだった。
店内は4人座れるテーブルが10卓ほどあり、入り口左奥にはカラオケ完備の個室(8人ほど座れる)が1部屋あった。個室の前がステージとなるスペースが設けられていたが、木蘭でステージショーを見たという人を聞いたことがない。
奥にひっそりと眠る北朝鮮絵画
入り口のすぐ右側にはレジがある会計スペースがあり、右奥にはトイレへつながるドアがある。ここは2016年頃まで、いくつかの個室があったが、いつの間にかパーティションが撤去されてガランとした空きスペースになっていた。また、空かずの扉の部屋があり、店舗責任者の部屋だったのかもしれない。
この空きスペースに複数の絵画が飾ってあった。飾ってあったと言うよりも収納している感じだったが、念のため木蘭のスタッフへ写真を撮っていいかと尋ねて承諾をもらい撮影しておいた。
ここにあった絵は販売されていたものだと思われる。しかし、北朝鮮の著名が画家が描いたもの以外の詳細は、どうやら彼女たちも、よくわかっていなかったようだ(見込み客とみなされていなかったのだろう、何度か訪れてもまったく売り込まれもしなかった。逆に一抹の寂しさを覚える)。
「なんで1人で来るの?」
木蘭レストランは、午後7時など書き入れ時に1人で行っても話し相手になってくれることが多かった記憶がある。
「タイの生活はどう?」「何年くらい働いているの?」「お父さんお母さんはどこに住んでいるの?」など聞いていると、「なんで1人で来るの?」「日本のビールはすべて美味しい(木蘭にはアサヒスーパードライがあった)と聞くけど本当?」「多くの日本人は朝鮮をどう思っているのか?」など聞かれることもあった。
木蘭だけではなくベトナムやカンボジアなどの北レスでも共通だったが、北レスにはスタッフの監視や指導も兼ねたマネージャー的な存在がいた。20代後半くらいと思われる女性スタッフは、中国での勤務経験者が多く、流暢な中国語が話せる人が多い。最後に行った木蘭では、3年間中国・瀋陽の北レスで勤務していたという女性がいて、中国語でやりとりができた。彼女によると、さすがに木蘭には中国人はめったに来ないらしい。
近年、パタヤでは中国人観光客が激増しているが、主流だった団体旅行から個人旅行のへ移行がまだ始まったばかりなので、代表的な観光地を楽しむことが多く、わざわざここまで足を中国人は少ないのだろう。
異質だらけのパタヤ北レス 北朝鮮経営のホテルだった?(3/3)へ続く。
すでに解体された木蘭レストラン(手前)
朝鮮レストラン 湖庭園の店名が確認できる。リニューアル後も北レスの可能性が高そうだ。