清潔で人民元で支払える

清潔で人民元で支払える

日本人観光客も乗車することができる平壌のタクシー

 「北朝鮮、夏の朝。タクシーで商談へ向かうためタクシーへ乗っている。これが車外の平壌の風景」という1分ほどの短い動画とともに中国のSNSへ平壌のタクシーについて投稿が確認できる。

 投稿では、「平壌のタクシー運転手は身なりがきちんとしていて、車内では喫煙せず、毎日タクシーの内外をきれいに清掃している。運賃は、朝鮮ウォン、米ドル、人民元などの通貨で支払うことができる

 投稿者は、瀋陽在住で朝鮮族と思われる漢字名のアカウントを表示させている。昨年3月まで平壌に滞在していたようで、平壌の街中、駅、商店、ホテル、観光地などを数分ほどの動画で紹介している。

 今年4月15日には、瀋陽の北朝鮮領事館で行われた太陽節を祝う式典へ参加したことを投稿している。北朝鮮関係者と一緒に写っている投稿主を見ると長身の30代前半くらいの若い男性のようだ。瀋陽の北朝鮮領事館関係者との写真を撮影、SNSへアップする許可を得ているとしたら、北朝鮮からも一目置かれた存在なのかもしれない。

運転手が勝手に喫煙するのが当たり前だった中国のタクシー

 投稿されたタクシー動画へは、「見る限り自動車が少ないね」「平壌にはシェアサイクルは走っているの?」「清潔そう」などのコメントが書き込まれている。コメントが少ないためか、書き込まれたコメント数と表示コメントは一致、削除はされていないようだ。

 中には中国のタクシーと比較するコメントも確認できる。中国は90年代半ばにタクシーが激増し、“医者よりも稼げる”花形商売となった。中国はタクシー急増に法的整備が追いつかず、メーターを使用しないぼったくり行為、飲酒運転、スピード超過や整備不良などで事故が増え、運転手が勝手にたばこを吸うのも当たり前だったが、近年、罰則が強化され、車内喫煙は原則禁止となり、安全になってきた。しかし、市中を走る一般タクシードライバーには制服はなく、普段着やジャージなどラフな服装が多く、席の清掃状況を含めて清潔感は全体的にまだ乏しい。

日本人は撮影を注意され中国人は容認?

 また、今回のSNSへ投稿されたタクシー動画を単純に見ると、タクシーが今の中国のように公共バスや地下鉄の数倍払えば誰でも気軽に利用できる交通手段と勘違いしそうだ。

 平壌のタクシーは、確かにこの10年で急増して珍しいものではなくなった。しかし、平壌住民の誰もが気軽に利用できるものではなく、まだまだ一部の富裕層向けなのが現実だ。

 日本人旅行者も希望すれば、平壌でタクシーへ乗ることができる。もちろん単独乗車はできないので、ガイド同伴となるが、事前申請や予約は不要で、現地で希望すればガイドがアレンジしてくれる。タクシーへ乗車はできるが、車内や車外の撮影は注意を受けるようだ。これが中国人だと注意を受けないのかもしれない。


【真实的朝鲜】1:铁路都只有一条轨道,平壤街头的出租车都是中国品牌

 丹東から列車で入国し平壌到着後の7分過ぎ、撮影者が通り過ぎるタクシーが中国の長安汽車製だとつぶやいている。

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