プロレスが盛んな国は少ない
高須院長 靖国神社奉納プロレスへ台湾パイン奉納 2千人超が観戦の続き。
3月27日の靖国神社奉納プロレス後に主催者挨拶した大谷晋二郎選手(プロレスリングZERO1)の話は、プロレスの魅力を凝縮するものになっていた(靖国神社奉納プロレスに全20団体54選手が集結!大谷晋二郎が熱いプロレスで「頑張ろう日本!」とエール!ライオネス飛鳥がダンプ松本に竹刀攻撃!カーベル伊藤がフォールを奪われ敗北!)。記事後半に大谷選手の挨拶全文が紹介されている。
実はアジアでプロレスが定期興行として行われているのは、日本だけだと存知だろうか。
世界的にも米国、メキシコ、日本、カナダ、プエルトリコ、オーストラリアの6か国くらいで他は不定的開催や遠征試合として行われることがあるくらいだ。中でも盛んなのは冒頭の米国、メキシコ、日本の3か国となる。
しかし、日本のプロレス団体を取り巻く状況は決してよくはない。日本には、新日本プロレスなどメジャーと呼ばれる団体からインディーと呼ばれる小規模団体まで数多くのプロレス団体が存在する。
韓国に根付かなったプロレス文化
プロレスが庶民の娯楽となった力道山の時代やテレビのゴールデンタイムにプロレス中継をやっていた時代と比べると、プロレス業界自体が厳しい状況に置かれているのは事実だろう。一部のトップレスラーを除けば、決して儲かる花形商売でもない。
それでも職業=プロレスラーとして活躍できる国はアジアでは日本だけだ。日本人は当たり前すぎて何とも思わないかもしれないが、プロレスは、とても貴重な文化なのだ。
力道山をはじめ、日本のプロレス界には、朝鮮半島出身者、在日朝鮮、韓国人のレスラーが多く活躍している。そうすると、韓国へ逆上陸してプロレス文化が根付いてもよさそうであるが、現在、プロレスの定期興行は行われておらず、プロレスが韓国で根付いたとは言えない。
中国共産党が嫌がる?
中国では、定期興行どころか遠征試合もほとんど行われたことがない。直近では2016年5月末、大連で8000人の観衆を集める大規模プロレス興行を発表。地元新聞や日本語の情報誌へも広告を出し、チケットも販売されるも、なぜか直前に中止となり払い戻しとなった。
真偽は不明であるが、中国共産党は格闘技を含めたプロレスを規制しているとの声も聞かれる。映画の世界でのカンフーや中国拳法の達人は、ファンタジーな存在として容認するが、現実世界で鍛え抜かれた肉体を持つリアルなヒーローの存在を中国政府が嫌がっているとも言われる。
中国は社会主義のはずなのにプロスポーツが存在する。人気のプロスポーツには、サッカー、バスケットボール、卓球がある。しかし、ここにプロレスはもちろん、ボクシング、格闘技も入っていない。
その意味で、プロレスが楽しめる日本は幸せなのではないだろうか。