河口断橋周辺のホテルのほうが北朝鮮に近い
以前、KWTで紹介したように丹東には、複数回にわたり紹介した中国・丹東の中聯ホテルや丹東国門青雲ホテルよりも北朝鮮にもっと近いもホテル存在する。
しかし、物理的な距離は近くても重要な北朝鮮側が葦が生い茂る湿地帯だったり、人家も田畑もない場所がほとんどで昼間でも誰1人として確認できないため物足りない光景だろう。
北朝鮮までの距離で言えば、丹東北に位置する河口断橋がある河口村のホテルのほうが近い。しかし、丹東から50キロ・メートル離れていることに加えて、一般的な日本人は衛生環境的に宿泊することは厳しいと思われる(慣れと忍耐が必要)。
月亮島や元ゴルフ場のホテルからも近いけど…
丹東市内でも中朝友誼橋から少し南の月亮島にあるヴェニス ジングオ ホテルや少し北にある元ゴルフ場のクラブハウスを改良した丹東珍珠島江畔ホテルのほうが、北朝鮮には近いだろう。しかし、これらのホテルの客室から見える北朝鮮は積出港や自然のままの湿地帯が広がっていて北朝鮮人や車両などの往来はあまり期待できない。
断橋、中朝友誼橋周辺ならに新義州駅に近いこともあり真っ暗になる夜間を除けば、トラックなど車両や国際列車だけでなく人の動き、中国人向けの観光施設、国境警備兵の動きも確認できる。
今年、新型コロナウイルスの影響がどこまで続くか不透明であるが、春先から初夏にかけて中朝国境が開放されて人の往来や交易が再開したら、どん底まで落ち込んだ中朝貿易がどのように回復していくのかを生でウォッチしてみてはどうだろうか。
今秋までに起こる大きな変化
2021年春から初夏の見どころなのは、新型コロナからの回復だけではない。まだ正式な日時は発表されていないが、今年夏は新鴨緑江大橋が正式開通する予定だ。開通後、トラックなど車両は新鴨緑江大橋へ移動するとみられるので中朝友誼橋の光景は一変すると思われる。
竣工から78年、現在の中朝友誼橋は、老朽化と構造上の問題で通過できる車両は10トンに制限されている。そのため、大型トラックは10トン車へ積み替えて往来していたが、新鴨緑江大橋は20トン車など大型車両でも通行ができるようになるので中国側の期待も大きい。
仮に中朝国境が再び開放されたとしても、すぐに人や車両往来が回復するとは考えづらい。徐々に戻っていくのが現実的だろう。そうすると、今年の夏頃までは中朝友誼橋の光景は楽しめるかもしれないが、トラックなどの車両は新鴨緑江大橋へ早々に移動し、中朝友誼橋は国際列車と新義州日帰りツアー客など乗せたバスやミニバンなどの観光客の往来中心に移行すると考えられる。
そんな大きな歴史的な変化が今年の秋頃までには見られると予想される。
月亮島からドローン撮影とみられる見事な360度写真。アングルを回せば中朝友誼橋や正式開通を控える新鴨緑江大橋も確認できる