ニコニコが生中継。ロイターもツイッターでライブ配信
ニコニコが生中継。ロイターもツイッターでライブ配信
中国のSNS「微博(ウェイボー)」は平壌の金日成広場で12月31日深夜に行われた年越しイベントについて伝えた。
北朝鮮の年越しイベントでは2年ほど前からカウントダウンライブが開催されている。最近、登場回数が減っている「モランボン楽団」が零下のステージに立ってパフォーマンスを披露したりしたことも話題となった。
今回のカウントダウンライブも日本から「ニコニコ」で視聴した人も多かったのではないだろうか。しかも今回は「ロイター」も北朝鮮の年越しを「ツイッター」でライブ配信していた。
民間団体っぽいアカウントで記事を配信する中国SNS
民間団体っぽいアカウントで記事を配信する中国SNS
北朝鮮の年越しイベントや元日の金正恩委員長の動静などを伝えた中国官製メディアは少ない。1日の金正恩委員長の動静を伝えたことが確認できるのは『環球時報』だけだ。
ウェイボーへ投稿された北朝鮮のカウントダウンイベントでもっともコメントが書き込まれていると思われるのが「観察者網」というアカウントの投稿だ。
観察者網は上海の「春秋総合戦略研究院」が運営している。中国には日本で言う純粋な民間企業や団体は存在しないので、民間ではなく中国政府、官寄りの研究院だろうと推測できる。
中国共産党系など官製メディアが報じると憶測を呼びそうなニュースは、このような政府の息がかかった民間っぽい団体が代わりにニュースを発信するという手段を多用している。
12月31日深夜、北朝鮮の平壌では2021年を祝うイベントが開催され、マスク姿の1000人を超える市民が会場へ詰めかけた。ステージ上では歌手やダンス公演が披露され市民らはライブで楽しんだ。深夜0時に新しい年を伝える鐘の音とともに新年祝う花火が打ち上げられ新年到来を喜んだ。
と観察者網は伝えている。
肯定的な書き込みで埋め尽くされる奇妙なコメント欄
この投稿にコメント96件、転送50件、いいねは693件(3日午後9時)それぞれ入っていて、ウェイボー上で確認できる平壌のカウントダウンイベントについての投稿ではもっとも多くなっている。
コメント内容を見ると、
・新年おめでとう。
・朝鮮はどんどんよくなってほしい。
・ダンサーかわいい。
・偉大な朝鮮の人々は困難を克服して新年がますます繁栄することを願う。
・さすが新型コロナゼロの国だ。
・中国よりもきれいな演出。
・素晴らしい。
という肯定的なコメントが8割ほどを占める。
・人々の食糧を節約して花火を上げることはよいことか?
・電力が貧弱すぎる。
・マスクする必要あるのか?
・平壌は寒すぎる。生足は危険だ。
・とても哀れ。
・70、80年代の中国の春節を思い出す。
・まるで80年代そのままのスタイルだ。
否定的、その他の書き込みも2割ほど確認できる。偏りが著しく実に奇妙だ。
危険なコメント?18/26削除される微博コメント
危険なコメント?18/26削除される微博コメント
韓国『中央日報』などのウェイボーアカウントが元日の金正恩委員長の動静を伝える記事を投稿している。しかし、それらにはコメントが1件とか4件とか数えるほどしか書き込まれておらず、覗いてみると、「保護機能により危険なコメントは表示できません」と表示されている。
通常、中国でのインターネット上の書き込みは、削除しても痕跡を残さないことが多いと思われるが、わざわざ削除したことを示す一文を載せているのはどうしてだろうか。
金正恩委員長の動静投稿でもっとも多く反応を集めているのは、官製の環球時報の投稿で、書き込まれた26件のコメントのうち表示されているのは4件のみだ。85パーセントのコメントは削除されたか、非表示になっているようだ。
他の金正恩委員長関連の投稿へのコメントもことごとく上記のメッセージが表示されてコメントは表示されていない。
このあたりからも中国政府が神経を尖らせてSNSを監視していることをひしひしと感じさせる。