10.25朝鮮戦争参戦70周年後も反米キャンペーン継続
10.25朝鮮戦争参戦70周年後も反米キャンペーン継続
中国政府は朝鮮戦争中国参戦70周年だった10月25日が終わっても朝鮮戦争を使った愛国心刺激と外へのガス抜き的な反米キャンペーンを継続させている。
23日からは実質1か月半ほどで制作された中国人民志願軍をテーマにした戦争映画「金剛川」を上映し、「中国中央テレビ(CCTV)」は、ドキュメンタリー「抗美援朝保家衛国」をシリーズで放映している。いわゆる完全なプロパガンダ炸裂状態だ。
抗美援朝保家衛国は、SNS「微博(ウェイボー)」のアカウントでも公開されており、中国国外からも閲覧できることから国外からのアクセスも意識していると考えられる。
北進?アメリカに勝利?中国が米韓を度々刺激
抗美援朝保家衛国とは、北朝鮮を助けるために帝国アメリカに立ち向かうことで家を守り祖国を平和にするという意味だ。
先月23日の習近平国家主席の記念演説で言及し韓国やアメリカから抗議が出るなど物議を醸した朝鮮戦争の開戦は米軍(国連軍)による「北進」という北進論を含めた意味と解釈される。
現在、中国のSNSでは#抗美援朝保家衛国の投稿が画面を占領する。このハッシュタグで番組を配信しているCCTVや『人民日報』、個人のアカウントまで大量に投稿していることが確認できる。
これらと関連して朝鮮戦争の映像、従軍した中国人民志願軍元兵士のインタビュー、中朝の友情などいかにしてアメリカの侵略に打ち勝って(?)朝鮮半島に平和をもたらし、中国を守り抜いたかといういずれも単一史観で統一されていることが分かる。
これだけ見ると中国人は愛国心を刺激され、反米をあおられて暴走しないかと心配になりそうだが、中国人の中には距離をおいて冷静に見ている人も少なくない。彼らは政府の国策へ意見するとすぐに自分たちの不利益となることを身をもって知っているので「仕方がない」と考えて、自分たちのやるべき仕事や日常へ目を向けている。
中国政府の本音はトランプ続投か
中国政府の本音はトランプ続投か
現時点でも決定していないアメリカ大統領選挙について中国政府は公式な見解は示していないが、SNSではバイデン氏を支持するコメントが大勢を占めているようだ。
しかし、中国政府の本音はバイデン新大統領よりもトランプ大統領続投のほうが望ましいと考えていると中国の専門家の見立てがある。
その理由としてトランプ大統領であれば、最悪、多少妥協してでも直接交渉もできるし、今以上にアメリカの国内分断が進み混乱がさらに広がれば、相対的に中国の安定性が際立ち、長期的には米中の立場において中国が有利になると考えているなどが挙げられている。