巣ごもり需要で世界中で売れた辛ラーメン
「辛ラーメン」を販売する韓国「農心」は海外売上高が過去最高になる見通しであると4日、韓国『中央日報』などが報じている。とりわけ北米市場が伸び率が高く、新型コロナウイルスによるロックダウンなどによる外出制限でのいわゆる巣ごもり需要が売上増の要因となっていると分析している。
おそらくは売上が伸びたのは農心に限った話でなく、「日清食品」や「東洋水産」などの日本企業の即席麺などの売上も同様に伸びていると思われる。
中央日報によると、農心は世界のインスタントラーメン市場で5位となり、海外売上高は前年比24パーセント増の9億9000万ドル(約102億円)と見込んでいる。
人気商品は全海外売上の4割を占める辛ラーメンに加えて、「チャパゲティ」の売上が大きく伸びている。チャパゲティは、映画「「パライサイト 半地下の家族」にチャパグリ(チャパゲティ+ノグリ)として登場することで知名度を上げた。
世界の辛ラーメン。でも辛ラーメン1商品に依存
インスタントラーメン製造企業の今年の世界シェア予測は、1位 康師傅(13.4%・中国)、2位 日清食品(9.9%・日本)、3位 インドフード・スクセス・マクムル(7.5%・インドネシア)、4位 東洋水産(7.3%・日本)、5位 農心(5.7%・韓国)となる(ユーロモニターインターナショナル)。
これでまさに世界の辛ラーメンと呼んでも差し支えないのではないだろうか。
なんぜ農心の海外事業は辛ラーメン一強で、世界中で統一された赤いイメージカラーでブランド化させることに成功している。しかし、逆に言えば、辛ラーメン頼りで1商品に依存してしまっていることは弱点でもある。
辛ラーメンから派生した「辛ラーメン ブラック」や「辛ラーメン キムチ」、「辛ラーメン 激辛」などもあるが辛ラーメン頼りであることのは変わりない。
今後さらなる躍進とリスク分散のためにもチャパゲティのような辛ラーメンと双璧、第3、第4の人気ブランドを生み出すことにかかっているのではないだろうか。
中国でのシェア5割=世界シェア1位の康師傅
世界の即席麺シェア1位の康師傅は中国企業と表記したが、正確には台湾で創業されて、現在本社は中国天津にあるため中国企業と表記した。今でも親会社は台湾の頂新国際集団となる。
康師傅は中国国内でシェア5割近くを誇り、2つに1つが康師傅製くらい圧倒している。康師傅は、カップ麺や袋麺などインスタント麺だけでなく、飲料事業も幅広く展開していて康師傅といえば飲料メーカーだと考える中国人も少なくない。
よって康師傅が世界シェア1位なのは、ほぼ中国市場での売上によるもので、世界の康師傅とは言い難い。