7月末からマスゲーム練習開始か
10月10日は朝鮮労働党創建記念日として9月9日の建国記念日と並び北朝鮮の秋の重要イベントして注目を集める。
2002年からのマスゲーム、2018年からの復活したマスゲームも10月10日ごろでフィナーレを迎えることが多かった。ところが、今年は、昨年とは様相が異なっており、どのような内容になるかも情報がまったく入ってこない。
北朝鮮専門の英語ニュース「NKニュース」によると、7月末に平壌でマスゲームの練習が始まったと伝えている。
マスゲームの練習期間は半年?3か月?
北朝鮮観光総局関係者は、マスゲームの練習には通常半年ほど時間を要すると話していたが、元山で複数の工場を管理する責任者は、一昨年、投資視察した中国朝鮮族に対してマスゲームの練習は3か月ほどで仕上がると話したという。
前者の説では昨年のように6月1日からマスゲーム公演が始まると、逆算で元日ごろから練習を始めることになる。日中でも氷点下の極寒の平壌でマスゲームの練習は難しいのではないだろうか。また毎年冬季の燃料不足の問題がある北朝鮮では、室内練習にしても使える燃料や電力に限りがある。
後者の3か月説であれば、3月1日ごろからの練習開始となりこっちのほうが現実的な感じがする。
しかし、後者の説で考えるも7月末から練習を始めても仕上がるのは10月末となり、10日では間に合わない。どうするのだろうか。
北朝鮮旅行・観光の再開は?
観光客の北朝鮮入国再開についてもまったく漏れ伝わってこない。6月中旬には、観光再開は10月末という話が中国の北朝鮮旅行代理店へ非公式に伝えられたという。しかし、その後、続報は途絶えており、代理店では年内の観光業再開は絶望的とみている。
「観光再開は来年3月上旬ごろだと考えています。早くても2月16日の光明星節ごろにと私たちは期待していますが、寒い時期は一般的に中国人は旅行しないので、集客はかなり厳しいでしょう」(瀋陽の旅行会社)
周辺国から中国へ向けられる強い疑念
そもそも、新型コロナウイルスの感染を抑制したと胸を張る経由地の中国でも国内旅行はいまだ制限されたままだ。
10月1日は中国の建国記念日「国慶節」で、暦の上では8連休となり中国国内を6億人が旅行するとの日本でも報じられている(コロナ沈静化、6億人旅行 中国で8連休スタート)。
それでも中国での新型コロナに対する警戒心は強く、省外の故郷へ帰省する大学生の省外移動を禁止したり、スマートフォンアプリなども使い厳重に行動監視しているようだ。
中国は新規感染者がほんとど報じられないにもかかわらず、日本を始め周辺国では新型コロナウイルスの発生国であり、中国政府の隠蔽体質を改めて露呈した中国自体への疑念から中国人観光客の全面再開へ踏み切る国は少ない。