愛の不時着で注目される北朝鮮の律動体操とは?
大ヒット韓流ドラマ「愛の不時着」で登場する北朝鮮の地方都市で朝、踊る体操のような集団ダンスのような動きが注目されている。
これは律動体操と呼ばれるもので、1993年に金正日総書記が人民の健康促進を目的に考案されたとされる。
律動体操は韓国では愛の不時着までまったく知られていなかったが、日本では18年ほど早く知られていた。
大衆律動体操から始まり、幼稚園律動体操、少年律動体操、老人律動体操の4種類が律動体操として存在し、その他にもスピンオフ体操として、テコンドー体操(健康、少年、老人の3種類)もある。
律動体操を踊ってみたいが難しい。健康効果前に体調を崩すことも
律動体操は、元々存在した人民保健体操をベースに体操競技やダンスの要素を加えてアレンジさせたもので、それぞれ専用の曲に合わせて踊る。体操競技が関係しているためか体操とは思えぬほど難度が高く、「老人がこんな動きできるのか」と言われるほどで、健康効果を上げる前に体調を崩してしまうかもしれない。
日本で律動体操が知られるようになったのは「ブラックワイドショー」(日本テレビ系列、2002年10月~03年3月)で取り上げられたことがきっかけとされる。ブラックワイドショー終了後はすっかりと忘れられていたが、愛の不時着で再び注目されることになった。
4つの律動体操の中でも人気が高いのは老人律動体操だ。バックで流れる音楽は、昭和を感じさせる哀愁ある歌謡曲。中国の太極拳を思わせるゆったりとしなやかな動きから始まり、徐々に曲がアップテンポになり、それに比例して難度も上がっていく。どんなときにも笑顔は忘れないのもポイントだ。
すべての律動体操、テコンドー体操の楽曲は、旺載山(ワンジェサン)軽音楽団オリジナル曲とされる。
脱北ユーチューバーもビックリなニコニコなどに全種類そろっている
現在、平壌を観光で訪れてもあまり律動体操を見かけることはない。しかし、工場など職場での就業前や地方都市では朝など集まって踊っているとの脱北者の証言がある。そうすると、確かにドラマで描かれるように律動体操は日常に溶け込んで今でも踊られているのかもしれない。
著作権的にグレーなためKWTではシェアしないが、ぜひ「律動体操」で「ニコニコ動画」や「ユーチューブ」で検索してみてほしい(動画共有サイト上に全種類そろっているのは脱北ユーチューバーも驚くのではないだろうか)。
ちなみに、幼稚園律動体操のみ曲に部分的にボーカルが入っている。また、今でも「朝鮮中央放送テレビ」などで律動体操の映像や音楽だけが流れることがある。
律動体操ファンの中には、北朝鮮を訪問したときに幼稚園、少年、大衆、老人とそれぞれの律動体操、3種類のテコンドー体操の撮影地を探し出して記念撮影するマニアも存在する。
【おうち時間】대중률동체조 大衆律動体操