問題ある人間にはビザを発給しない
先日、日本人が北朝鮮で騒動を起こしたり、拘束される事件についてお伝えしたが、そもそも、なぜ拘束されるまでに発展するのかを考えてみたい。
日本人が北朝鮮へ入国するためには事実上のビザを取得する必要がある。観光ビザは入国審査を受けて問題ないと判断されると発行される。北朝鮮にとって問題ある人物と判断されるとビザを発給しないのだ。つまり、ビザが発給された時点で北朝鮮での安全は、ほぼ保証されたことを意味する(近年の中国のように入国させて泳がせるようなことはあまり聞いたことがない)。
世界1安全な国?
インターネット上の北朝鮮旅行の感想でよくあるのは、「世界1安全な国」という一文だ。
そんなバカなと思う日本人が大半だろう。しかし、あながち間違いとは言い切れない。なぜなら北朝鮮は自由行動が一切できないからだ。平壌国際空港や平壌駅、中国琿春から陸路入国など北朝鮮へ足を踏み入れると案内するガイドが待機しており、出国する直前まで同行する。
ガイドは監視役も兼ねているため、旅行者と同じホテルに宿泊する徹底ぶりだ。
言わばガイドが24時間張りついているので、常にガイドの言うことを守って行動すれば、危険な目にあうことはまずない。そのため、北朝鮮が世界1安全な国と言われるわけだ。もちろん、嫌味も込めて…は想像できる。
お土産でガイドの心証アップがポイント
決して安くはない北朝鮮旅行での旅の満足度を最大限に高めるためには担当するガイドといかに仲良くなるかがポイントになる。
何度も訪朝経験がある人は、同じガイドを事前リクエストして前回、ガイドが欲しがったものをわざわざお土産として持参するほどガイドとの関係が旅の充実度に直結するのだ。
北朝鮮観光は官製ツアー色が濃いので個々のガイドが決められる裁量は決して大きくないと思われる。それでも、四六時中ずっといるためガイドの心証がよいと一般的な観光客では行けない場所へ行けたなんて報告もあるので、お土産効果は侮れない。
担当ガイドがリトマス試験紙
北朝鮮旅行で危険な目にあわないためには、すべてガイドへ事前確認をするくらいで行動すればよい。仮に撮影後に削除するに“指導”されたらそれに素直に従っていれば、拘束されたり、罰金を請求されたりすることはない。北朝鮮旅行では、担当するガイドの反応がリトマス試験紙の役割を果たしているのだ。
この数年、拘束されたり、トラブルになった事例では、2018年8月の杉本倫孝氏は、早朝にホテルを抜け出して単独行動をして目をつけられ空港で拘束されたといわれる。また、記憶を飛ばすほど泥酔し、しかも仲間内でケンカして記念模型を破損させた慶大生など論外だろう。
もし北朝鮮を安全に旅するならガイドへ事前確認をしまくるくらいが安全の担保となるのだ。特殊な国であることもお忘れなく。