ヤフコメは金髪・赤髮の長髪学生への非難で埋まる
夏の平壌で起こる騒動・拘束事件 日本人の北朝鮮入国審査がさらに厳しく(2/4)の続き。
それぞれが金髪と赤髪の長髪で北朝鮮だと突出して目立つ。ホテルで遭遇したときに話すと赤髪が慶應義塾の現役学生だと話したのでそれで覚えていたという。訪朝団の仲間内では、「あんな容姿で入国させて大丈夫なのか?」という声があったそうで、残念ながらその懸念通りにになってしまったわけだ。
2019年2月に『週刊新潮』で酒乱学生らの話も含めて事の詳細が明るみになり、ウェブ版記事がヤフーニュースへ掲載されると多数のコメントが入った。
その多くが泥酔して暴れて模型を破壊した学生らを非難するものもだった。ヤフコメは、ネトウヨと呼ばれるネット民が多いことで知られ北朝鮮や中国に対して辛辣な批判コメントが多いが、そんなヤフコメ主たちをも呆れさせたようだ。
海外で騒動を起こすと在日?日本のパスポートを所持
コメントの中で気になったのは、「帰国中の祖国での事件」、「同胞だから拘束されなかった」、「日本人ではない」など学生らの国籍に言及するコメントも少なくないことだ。
海外で「信じられない恥ずかしい事件、騒動」を起こしたら、それは日本人ではなく在日朝鮮、韓国人という偏見に満ちた思考回路が浮かび上がる人たちが一部に存在する。日本人ではないと思い込みたい差別的な願望の反映したものとも言える。
改めて取材を進めると、酒乱学生らは日本国のパスポートを所持している。そもそも酒乱学生は、中国の代理店を利用している時点で、在日朝鮮、韓国人ではないことが分かる。在日朝鮮、韓国籍の人は観光旅行ではなく特別訪問なので一般の旅行代理店での手配はできないからだ。
もちろん、2018年8月11日に北朝鮮で拘束された杉本倫孝氏のように日本へ帰化していれば、海外も含めて一般の旅行代理店を利用することはできる。酒乱学生らのパスポートの氏名を確認する限りではあるが、帰化した人たちではなさそうに思える(断定はできない)。
そんな一部の日本人の差別意識も露呈してしまった慶應義塾大学らによる酒乱騒動であったが、今後、訪朝する日本人へ大きな禍根を残してしまったことは大きな事実だろう。
下手したら第2のオットー・ワームビア氏に
近年、北朝鮮で拘束された事件といえば、2016年1月に発生したアメリカ人大学生オットー・ワームビア氏の件を頭に浮かべる人も多いのではないだろうか。
不幸なことにワームビア氏は、2017年6月に昏睡状態で解放され帰国直後に亡くなっている。
日本人酒乱学生らも「第2のオットー・ワームビア」になりかけていたのだ。彼らが破壊した(週刊新潮の記事によるとどの部分を破壊したかホテル側へ確認を求めたが応じなかったのでどの程度の破損だったか不明とのこと)ホテルの模型は、「高麗ホテル」の8月9日の創業日(1985年8月9日創業)に合わせて、「万寿台創作社」に依頼して制作した特注品だった。素材となるプラスティック、木材、ネオン(LED?)など一式を中国から輸入して作られたとのこと。
(続く)