拘束から1年半。カナダ人2人をスパイ罪で起訴
拘束から1年半。カナダ人2人をスパイ罪で起訴
中国の検察当局は、19日、マイケル・スパバ氏とマイケル・コブリグ氏(ともにカナダ人)をスパイ罪で起訴したと発表した。2人は、「ファーウェイ」創業者の娘で副会長兼最高財務責任者(CFO)の孟晩舟氏をカナダで逮捕した直後に中国丹東と北京でそれぞれスパイ容疑で拘束されている。
中国政府は2018年12月上旬に2人を拘束以降、カナダに対して人質外交的な揺さぶりをかけてきたが拘束から1年半後の起訴に踏み切った。
このニュースについて本国カナダでは報じられているが、中国での扱いは小さく、「中国中央テレビ(CCTV)」で、起訴した事実を短く30秒ほどで伝えるニュースを確認できる。しかし、『人民日報』や『環球時報』などでは確認できず、中国語版の「ロイター」の記事が検索エンジン「百度」ニュースで検索されることは確認できた。
孟晩舟逮捕との関連を匂わせる報道はない
中国の報道では、カナダ人のマイケル・スパバ氏とマイケル・コブリグ氏をスパイ容疑で拘束したこととファーウェイの孟晩舟氏が逮捕されたことを切り離して伝えている。中国政府外務省の報道官も我が国は法治国家として法に従って粛々と対応をしたもので報復処置ではないと繰り返し主張している。
おそらく、一般の中国人は、孟晩舟氏逮捕とマイケル・スパバ氏、マイケル・コブリグ氏の拘束が関連している可能性が濃厚であることはまったく認識していないと思われる。
中国の官製メディアは、アメリカ政府がトランプ大統領の実績作りのために中国の1民間企業であるファーウェイ幹部の孟晩舟氏を不当逮捕したと力説している。
マイケル・スパバ氏とマイケル・コブリグ氏らのスパイ罪での起訴が報じられた19日晩、中国人の知人男性から孟晩舟氏の逮捕は日本ではどう報じられているのかと質問があった。
中国では、上記のような報道しかないとのこと。
1民間人がパスポート8冊所持に驚愕
1民間人がパスポート8冊所持に驚愕
連絡をもらったSNSで回答することは、中国在住者に身の危険をおよぼす可能性があるため、国際電話でいくつかの報道内容を伝えた。
その中で、中国人男性がもっとも驚いていたのは、孟晩舟氏が、少なくても8冊のパスポートを所持していたことだった。
この情報は英国、香港、日本などの主要メディアが報じている情報と伝えた上で、パスポートのうち5冊は中国本土、3冊は香港のもので、5冊の中国のパスポートのうち1冊は公務普通旅券であることも明らかになっている。
公務普通旅券は、公務員が公の業務で出入国するためのもので民間人が所持するものではない。
そもそも、1人で8冊のパスポートを所持している自体が異常で、まるでスパイ映画の世界のようだ。
当然ながらこの話は、中国では一切触れることなく、孟晩舟氏は、アメリカが政治目的で不当逮捕している民間人女性だと声高に伝えているのである。