ロ朝を結ぶ国際列車が鉄道マニアを熱くする
ロ朝を結ぶ国際列車が鉄道マニアを熱くする
北朝鮮の観光資源としての鉄道に注目が集まっている。従来の中国北京(丹東経由)と平壌を結ぶ国際列車に加えて、ロシアと平壌を結ぶ国際列車も外国人に解禁されて世界中の鉄道マニアを興奮させている。
ロシアは首都モスクワからシベリア鉄道で1週間ほどかけて極東へ移動し、ハバロフスク、ウスリースク、ロ朝国境のハサンを経て北朝鮮へ越境する。
日本人向けのビザ緩和で注目され今年春に「全日本空輸(ANA)」と「日本航空(JAL)」が直行便を初就航させたウラジオストクへは、途中のウスリースク駅下車での乗り換えとなる。
北朝鮮発として平壌とモスクワを結ぶ国際列車も運行されているが、現実的には日本人が乗車できるのは、ロ朝国境の豆満江駅からとなる。日本人がと書いたのは、ロシア人や一部欧州人などは平壌駅からそのままロシアへの鉄道の旅をしているからだ。この違いは一体何なのか平壌の「朝鮮国際旅行社(KITC)」へ確認するも明確な回答はない。
日本人はロシアから北朝鮮への国際列車へ乗れない
現在は運休しているが、新型コロナ禍前、北朝鮮とロシアを結ぶ国際列車は月に8本運行されている。
北朝鮮発ロシア行きの国際列車ということは、当然、ロシアからも同じ月8本の国列列車がロシアから北朝鮮へ運行されていることになる。
しかし、ここで不思議なことは、ロシアから北朝鮮への国際列車へ乗車することができないという現実があることだ。
最近、日本人向けの北朝鮮旅行を手配する旅行会社へロシアから北朝鮮への国際列車で訪朝したいという問い合わせが増えているそうだ。
そもそも2か国を結ぶ国際列車は、一般的に出発国側がチケット販売の裁量権を持っている。北朝鮮にはチケットを手配する裁量権がなく、できて仲介連絡程度となる。そうすると、ロシアからの国際列車へ乗車できないのはロシア側の都合となる。
ロシアの鉄道事情が酷すぎる
ロシアの鉄道事情が酷すぎる
豆満江駅からウスリースク駅までチケット代は60ドル(約6500円)なので、逆ルートでも同じくらいと考えてよい。ハサン駅での台車交換時間も含めて8時間ほどの鉄道の旅と考えるとそれほど高額ではない。
コアな一定数の鉄道ファンたちからのニーズがあるにも関わらずロシア側から乗車できない理由をウラジオストクの旅行会社に勤務する中国人スタッフは、
「ロシアの鉄道は遅延が日常茶飯事、さらに直前の運休も多いのでチケットを販売することは私たち旅行会社にとっては大きなリスクなんです。だから購入はできますが販売はしていません。ロシアはビザを取得する必要がある国が多いので国際列車が運休したりすると、ロシア滞在延長などの手続きが非常に面倒なんです」(旅行会社の中国人スタッフ)
(続く)