丹東・4月上旬に店内飲食許可。ついでに北朝鮮レストランも復活

丹東・4月上旬に店内飲食許可。ついでに北朝鮮レストランも復活

営業再開した丹東高麗飯店。女性授業員が外を見つめる目がどこか寂しげ

 昨年末、全店閉店が確認されていた中朝国境の丹東の北朝鮮レストラン(以下、一部北レス)の営業再開が確認された。もちろん、北朝鮮人の女性スタッフも健在だ。

 新型コロナウイルス対策でロックダウンが実施されていた丹東は、3月中旬に外出規制緩和され、3月末から商用施設が順次営業を再開。北朝鮮レストランを含む飲食店は、これまでテイクアウトやデリバリー限定だったものが4月上旬には店内飲食も許可されている。

 今回、営業が確認できた北朝鮮レストランは、断橋近くの「柳京飯店」、「丹東高麗飯店」、さらに少し離れて月亮島近くの「綾羅島」で、北朝鮮人スタッフによると、他の店舗も営業再開しているとのことだった。

 今年入り旧正月前には閉店したはずの北朝鮮レストランで事前予約による闇営業が確認されていたが、その後の新型コロナウイルス感染対策で外出制限が始まり闇営業もできなくなったようだ。

新型コロナ対策で全外国人のビザを自動延長

 丹東高麗飯店の北朝鮮人女性スタッフによると、レストランの従業員たちは、年末から今にいたるまで帰国せず丹東にいたそうだ。帰国すると現在も続いているとされる1か月間の隔離や中国への再入国が難しくなるとの判断も働いたのだろう。

 滞在ビザについても聞くも当然ながら言葉を濁された。あまり日本では報じられていないが、中国政府は3月上旬に北朝鮮人も含む中国に滞在する全外国人に対してビザの自動延長処置を実施している。

 たとえば、深セン滞在のある日本人を例に挙げると、日本人は、中国にビザなしで最長15日間、滞在できるので、期限が近くなるとマカオや香港へ出国し、深センへ戻り、再び15日後に出国するを繰り返している。俗に言うビザランだ。その香港やマカオが中国本土からの入境を全面停止したためオーバーステイとなるところだったが、就労ビザ、観光ビザ、ビザなしも一律で自動延長処置を実施している。

新型コロナ禍に乗じて北朝鮮労働者が大活躍?

新型コロナ禍に乗じて北朝鮮労働者が大活躍?

北朝鮮レストラン綾羅島(ルンナド) 出典「百度地図」

新型コロナ禍に乗じて北朝鮮労働者が大活躍?

 現在、観光ビザや学生ビザで就労しているとみられる丹東の北朝鮮レストラン女性スタッフたちもその恩恵を受けビザ切れ帰国を回避したのだろう。

 中国は新型コロナウイルスのどさくさに紛れて北朝鮮レストランの継続を黙認したのか。今、丹東で取材ができる日韓メディアは少なく、情報が非常に乏しい。丹東市はこの機に乗じて北レスや北朝鮮カフェ、バー、北朝鮮人労働者を雇用する工場や会社ををどんどん復活、新規オープンさせようとしているのかもしれない。

  柳京飯店の北朝鮮人スタッフは、通常通りステージショーも開催していると話すも、客入りは少なくこの日のショーは案の定、開催されなかった。

 丹東は外出制限は解除され日常生活は元に戻りつつあるが、観光業は本格再開されていないため断橋や鴨緑江を訪れる観光客はまばらだった。また、北朝鮮レストランは地元の人間が行く場所ではないので当然ながら北レス利用客も少ない。

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