失業率算出の定義
新型コロナ抑制成功の韓国 合法的に低い失業率を出す方法とは?(1/2)の続き。
そもそも失業率とはどうやって算出しているのか、埼玉県のサイトには、
失業率(完全失業率)=(完全失業者÷労働力人口)×100
で表します。
また「完全失業者」とは、
1)仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった。(就業者ではない)
2)仕事があればすぐ就くことができる。
3)調査期間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた。(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)
以上の3つの条件を満たす者のことを指します。
と定義されている。
労働力人口を分母、上記の完全失業者を分子で割り、100を掛けたものが(完全)失業率となっている。
少なくてもOECDへ加盟している各国であれば同じ定義で算出しているので、韓国も同じ定義で算出しているはずだ。
SE経験者にタクシードライバーの求人紹介
韓国の統計のマジックとは、分子を意図的に減らして失業率を下げているのではという疑惑に起因するものだ。
上記、
>3)調査期間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた。
を分子から除外しているとの記事や報告をよく見かける。
7年ほど前、韓国の失業率は、 13年3.10パーセントと発表された年のことだ。ソウル在住の日本人女性と韓国人男性の夫婦。日本人女性は日本語教師、韓国人男性はシステムエンジニア(SE)の仕事をしていた。男性が体調を崩し、半年ほど入院、療養のため仕事は退職した。年齢は30代後半、2人の子どもは小学生のためいち早く社会復帰をするべく、日本のハローワークに該当する公共の職業紹介所へ相談へ行ったそうだ。
過去のキャリアからSE系など技術職を希望業種として伝えた。当然そのほうが経験と実績を生かせるし、給料も前職並か、売り手市場であれば昇給も望める状況だろう。
しかし、ハローワーク担当者から紹介されたのは、タクシードライバーと単純作業の工場労働者だった。完全なミスマッチなので断ると、担当者は就業意欲なしと判断したという。つまり、仕事はあるけど、本人が働く気がないとして失業者から外してしまったのだ。
アナログでミスマッチを誘導して統計算出?
真意は不明だがミスマッチを用いて、本人から辞退させるという限りなく不誠実な手法ではあるものの違法までは言い切れないなかなか巧妙な手段だ。
結局、男性は、前職の紹介で取引相手だった企業へ転職した。ちなみに、配偶者である日本人女性も同じく完全なミスマッチな仕事をハローワークから紹介されたことがあると明かす。
とまあ、マジックと紹介したが、高度なテクニックを駆使しているというよりは、アナログに依存する部分が大きいことが分かると思う。
これら取材ケースは、ほんの一部のことかもしれない。朴槿恵政権になったばかりのころの話で、現在はまっとうな紹介をしていると信じたい。しかし、そんな過去の事例から考えると、今回の新型コロナウイルス関係で、韓国政府が発表する人数や数字を手放しにすべて鵜呑みにするのはちょっと危険かもしれないと思ってしまう。