NHKニュースでも報じられた金正恩委員長の重体説
NHKニュースでも報じられた金正恩委員長の重体説
4月21日、アメリカ「CNN」が米国政府関係者の話として、金正恩委員長が手術を受けてその後、重体になっていると報じて日本では昼の「NHK」ニュースでも取り上げられて大騒ぎとなった。
このニュースを韓国メディアも取り上げるも韓国政府は確認できていないと否定している。
中国在住の朝鮮族からは、韓国『中央日報』などの韓国メディアの記事を添付して日本ではどのように報じられているのかとの連絡が複数があった。
というのも中国では一切報じられていなかったからだ。21日午後4時までの時点(日本時間)で、「中国中央電視台(CCTV)」、『環球時報』、『人民日報』などの中国官製メディアの電子版を検索するも、個人名はもちろん、北朝鮮で検索しても昨日の「米トランプ大統領が、最近、北朝鮮から親書を受けたとの発言を北朝鮮は否定」を伝える記事だけで21日の新着記事はヒットしない。
中国は国内に潜伏する脱北者らへの刺激を避けたい
官製メディア以外の媒体記事を「WeChat」や検索エンジン「百度」でも検索してみたが同じくヒットしなかった。どうやら中国はこの情報について報道規制を敷いたとみられる。
「中国には潜伏している脱北者が多数いるので、彼らを刺激しないためにも慎重になっているんでしょう」(脱北者問題に詳しい研究者)
特に中朝国境に近い北朝鮮住民は中国報道をリアルタイムで得ることができる人たちも少なくないとされる背景も関係してそうだ。
日本時間、午後4時20分に中国「澎湃ニュース」が、日本のニュースでもよく登場する中国外務省の耿爽報道官による定例記者会見で、この件について質問され、
「報道は承知しているが、根拠が不明確な情報のためコメントはない。中国と(北)朝鮮は山と川で結ばれる大切な隣国として、中国は今後とも(北)朝鮮と協力して、中朝関係のさらなる発展に努めていく」
と答えたと報じた。
金正恩委員長の動静は11日以降伝えられていない
澎湃ニュースを引用して伝えた「観察者網」(網はウェブサイトの意味)には、多数のコメントが書き込まれている。いずれも短文での感想程度であるが、数が増え加熱してきたらすべて消される可能性は高い。
通常、この種の情報は、脱北者団体など韓国発で報じられることも多いが、今回、アメリカから発せられれたことで日本でも大きく取り扱われた。本件について、アメリカ政府がどのような見解を示すかにも注目していきたい。
北朝鮮の国営メディアで伝えられた金正恩委員長の動向は、11日の朝鮮労働党中央委員会政治局会議への参加を最後に報じられていない。