PCR検査乱発で文在寅大統領の支持率上昇
韓国関係筋へ、
「どうして韓国政府はあれだけ多くのPCR検査を実施したのか?」
とズバリ聞いてみた。すると回答は、
「国民が検査を求めたから」
だった。
なるほど、国民性だけではなく、直接民主主義と間接民主主義の違いも関係がありそうだ。実施されるか不明だが4月の総選挙を意識した点もあるだろう。事実、韓国は多くの感染者と死者を出しているものの文在寅大統領の支持率は上がっている。
「多くの韓国人は日本政府がPCR検査を意図的に実施せず、新型コロナウイルス感染者数を隠していると思い、不安がっています。韓国にいる私の妻の両親からも毎日電話がかかってきて、妻と子どもだけでも帰国させろと言われています…」(前出の韓国関係筋)
PCR検査万能論へ議論の余地なし
そもそも現在のPCR検査の感度はあまり高くなく、健康な人に実施しても偽陽性を多く生み出し、いたずらに医療リソースを消耗するだけで、あまり意味がないと感染症の専門家や統計学の識者などから指摘が上がっている点はどう考えているのかも聞いてみた。
「韓国ではPCR検査の正確性についての議論はまったくありません。議論すること自体が無意味だと思っています。この検査は感染者を探すために実施されているものだと一般的には認識されています」
PCR検査をがん検診のように1発で白黒はっきりさせることができる検査だと認識しているとのことだった。どうやら、「PCR検査万能論」に異論を挟ませないという風潮に覆われていることが見えてくる。
1つの歴史観しか存在せず、議論すること自体があり得ないという韓国や中国社会とふと重ねてしまった。
検査を求める国民の感情的な声で政治決断
検査を求める国民の感情的な声で政治決断
さらに、「日本では韓国ではPCR検査をしまくった結果、医療崩壊が起こったのでは?」と言われているがも聞いてみた。合計感染者数9786人、死者162人(3月31日時点)
「PCR検査も新型コロナウイルス感染者の隔離も一般の病院施設をしようせず、仮設テントや公共施設を使用しているから医療崩壊は起こっていません」(同)
確かに日韓で新型コロナウイルスによる肺炎等で亡くなった人を比較すると日本は今の2、3倍の感染者がいても不思議ではない。なんせ、国がPCR検査を抑制していると宣言しているから当然である。
専門家が必要だと判断したときに限り実施と繰り返し説明している。
当然、韓国にもPCR検査の性質を正しく理解して進言する専門家や優秀な統計学者もいるだろうが、「国民が求めている」の感情的な勢いに押されて政治決断してしまったのかもしれない。