電子レンジでチンして新型コロナ対策
電子レンジでチンして新型コロナ対策
韓国の中央銀行である「韓国銀行」が3月12日までに“電子レンジで紙幣をチンしないで”と呼びかけをしたと日本のメディアでも報じられた。
新型コロナウイルス感染を懸念する韓国人が紙幣に付着しているウイルスを消毒する目的で電子レンジを使い炎上させる事故が多発しているためだ。
今回の新型コロナウイルスは、体外へ排出後、一定期間生存することが確認されており、特に表面が滑らかなプラスチックなどの素材上では長く生存するとの報告も出ている。そのため、感染発生地である中国では、エレベーターのボタンを透明のビニールでカバーしたり、爪楊枝を用意して爪楊枝で押すなど奇異な映像が世界へ発信されている。
電子レンジでの加熱には殺菌効果があることが実証されている
触れるものに神経質になる気持ちも分からないではないが、触れた指で口や鼻を触れないようにすることと、入室したらすぐに手洗いを励行すればいいわけだ。外出中で手洗いができない環境であれば、アルコール消毒できるウェットティッシュなどで手を拭けば多少の効果も期待できる。
色々な人の手を渡る紙幣や硬貨にも当然ながら新型コロナウイルスは付着するだろう。韓国の紙幣は、世界的にはきれいな状態で流通している方に入るとされ、韓国紙幣は、1000ウォンから5万ウォンまでの4種類発行されている。
冒頭の炎上した電子レンジは、基本的には調理器具に分類される家電となるが、実は殺菌効果があることは、近年、アメリカの大学などが発表しており、家庭の知恵のようにテレビなどでも取り上げられるので日本でも知っている人はいると思う。
主に細菌が繁殖しやすい食器洗いのスポンジや台拭きなどの台所用品がよく殺菌例に出される。それらの情報が影響して今回の紙幣炎上が発生したのかもしれない。
細菌とウイルスは別物。消毒効果は不明
しかし、ここで重要な点は、細菌とウイルスは、まったくの別物だということだ。
殺菌効果はあってもウイルスへの消毒効果は実証されていないと韓国銀行も指摘している。
日本では、まだ同様の電子レンジで紙幣リアル炎上は報じられていないが、中国では韓国銀行が呼びける前の3月上旬に発生しておりニュースになっている。
それによると、中国江蘇省で3125元分(約4万8000円)の紙幣を電子レンジで加熱して炎上させている。この記事(农村大妈用微波炉为人民币“消毒”烤糊了,没想到去银行后傻眼了)の事例では、すぐに気づいたのだろう、掲載写真を見ると紙幣は炭化しているが原型は留めていたようで、銀行で全額交換してもらえたようだ。
別の同様の炎上騒動の記事では、燃やして交換したら価値が半分になった事例などもある。これら中国の報道で少し気になるのは、中国の銀行職員が、全紙幣は銀行で消毒してから顧客へ出したり、ATMへ入れているとの発言があるが、果たして本当にそこまで実施しているのだろうか。
日本の紙幣破損時の交換基準は下記の参考サイトをご覧いただきたい。
参考サイト
日本銀行が行う損傷現金の引換えについて