韓国へのビール輸出がほぼ0%
昨年夏からの韓国での日本製品不買運動の影響で特に日本からのビール輸出が激減している。財務省発表の今年1月の日本から韓国へのビール輸出額は549万円(昨年同月比98パーセント減)とほぼ0パーセントに近い状態になっている。
ソウルの一般的なコンビニエンスストアやスーパーマーケットでも、「スーパードライ」(アサヒ)や「黒ラベル」(サッポロ)、「一番搾り」(キリン)「ヱビスビール」(サッポロ)など一通りの銘柄がそろっていた。しかし、それらは夏以降、姿を消している。
日本のインターネット上には、「韓国のビールは美味しくないから、韓国人はまずいビールを飲まないといけないので、かわいそうだね」などの書き込みが見られた。
日本のビールがなくっても困らない韓国人
1ビール党の私見だが、確かにお世辞にも韓国ビールは美味しくない。たとえば、韓国ビールを代表する「ハイトビール」(ハイト眞露)や「カス」(OBビール)の味は、酸っぱさに似た淡白さがあり、深みがなく、何より麦の味が感じられないからだ。日本の第3のビールと両方並べたら、第3のビールを選ぶだろう。それでいて、価格は細かな値上げを繰り返し日本のビールとほぼ同額になっている。
韓国のビールが味がイマイチなことは韓国人も認めるところだ。そのため、「ビールは子どもの飲み物」と強がりとも取れる発言する韓国人もいるくらいだ(当然、韓国でも未成年の飲酒は禁止)。
では、日本製品不買運動によって韓国人のビール好きが嘆いているかと言えばそうでもないと思う。なぜなら、韓国には安く飲める外国製ビールがあふれているからだ。
味は劣るが、米「バドワイザー」、中国「青島ビール」、さらには、世界中のビール好きを納得させるドイツ「パウラーナーヘフェヴァイスビア」、アイルランド「ギネスビール」、オラダン「ハイネケン」なども街のコンビニでも買うことができる。他にもバーへ行けば、市販の韓国ビールより格段に美味しい地ビールなどもあるからだ。
輸入ビールが国産比で安く飲める
輸入ビールが国産比で安く飲める
しかも、韓国では、これらの輸入ビールと韓国国産ビールとの価格差が小さいことも特徴だ。日本よりも価格差は小さく、手軽に買うことができる環境であることが、近年、韓国において日本産ビールの消費を伸ばした一因なのではないだろうか。
というわけで、日本からのビール輸入量を激減させても他国から輸入を増やせばいいだけのように思え、日本で韓国を快く思っていない人たちが一時期、話題にしていたほどビール好きの韓国人たちは、スーパードライを恋い焦がれるほど困っていないのではないだろうか。