METALEX2019は今年も10万人超の来場者
タイは日系企業だけでなく世界中の製造業などからも注目され、東南アジアでも屈指の魅力ある市場になっている。そんなタイ、特にバンコクでは年間に複数の展示会が開催され、中には世界的に見ても大規模なものもある。
製造業関係、機械や設備、部品メーカーが出店する「METALEX」もまた大きな展示会だ。2018年は10万人にわずか2人ほど届かない来場者数だったが、東南アジアで最も大きな機械関係の展示会になる。タイではモーターショーを始め、こういった展示会は同時に商談会の役割も担うため、業種によっては即時に利益につながる魅力がある。
参加企業はタイや日本、シンガポール、中国、韓国などのほか、ドイツや北欧、英国などからも出店している。これらの国々の人々も取引先を探しに来場し、2019年度は11月20日から23日の4日間で開催され、10万人超が訪れたと発表されている。
日本からも大手メーカーやジェトロ、新規開拓を目指す中小企業も出店
日本からの企業は、大手メーカーのほか、中小企業、それから「JETRO」、東京都や茨城県などの地方自治体の「中小企業振興公社」も出店していた。タイに拠点を持たない企業が日本から参加したり、タイに製造拠点がすでにある企業もブースを確保。主に新規顧客開拓を参加の理由だが、中にはブランドのPR、委託製造先の開拓などでも参加する企業があった。
METALEXの会場内は大きく業種ごとに分かれているが、そのエリア内でも日系企業、ドイツ企業、台湾企業など国ごとに集まる傾向にあった。最終発表では10万人ほどの来場者だったが、途中発表時は13万人が来場ともされ、多くが大物の機械メーカーに足を運んでいる。
人通り少なめの韓国企業ブース。製造業関係の韓国ブランドはイマイチ
ほとんどの来場者は目的のブースを見学したあとも全体的に会場を歩き、都度、気になった企業に立ち寄る。ブース位置によっては人の流れが悪く、例年よりも人が少ないと嘆く企業もあれば、多かったと喜ぶ企業もある。韓国企業は、わりと有名機械メーカーの近くにブースが固まっていて人の流れもよさそうだったが、人通りは多くなかった。
タイでは家電や車、スマートフォンなど韓国メーカーが台頭しているが、機械や設備、部品のメーカーの人気はいまいちのようだ。韓国人担当者は英語こそ堪能なものの、タイ語ができない。日系企業も同じではあるが、できるだけタイ人通訳や従業員を置いていた。韓国企業はそういった配慮が少なかった印象だ。インド系のエンジニアが部品メーカーを訪れた際も「ここは日系?」と聞いていたので、韓国メーカーを狙って訪れる人も少なかったようだ。
K-POPなどエンターテインメントが強い韓国は、宣伝方法もうまいので、ブランドの浸透が日系を上回っているが、機械や設備の世界では少なくとも日系の方が信頼されているようだ。
高田 胤臣
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(共書)、『バンコクアソビ』、『ベトナム裏の歩き方』、近著『亜細亜熱帯怪談』(監修)丸山ゴンザレス
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