訪朝直前のNGで航空券が無駄に

訪朝直前のNGで航空券が無駄に

平壌・万寿台へ結婚報告をするカップルと家族

訪朝直前のNGで航空券が無駄に

 「日本人は訪朝手配できないと北朝鮮への出発予定の10日前に伝えられて中国までの往復航空が無駄になりました…」と恨み節をこぼすのは20代の日本人女性。

 北朝鮮旅行の手配をしている代理店によると、同じような問い合わせが夏以降増えているという。問い合わせが入るタイミングが2週間前や10日前など直前のため手配したくも時間的に間に合わず断っているそうだ。

 その影響か、中国の日本語で対応する代理店へも「日本人は北朝鮮旅行ができないと言われたのですが本当ですか?」というインターネット上で北朝鮮旅行について間違った情報が蔓延していた10年前のような質問も入っているという。

代理店へ課せられたペナルティの影響?

 日本人の手配ができないと断っている旅行会社は、英語のグループツアーを手配している会社だ(特定できているも直接、連絡して確認できていないので社名は伏せる)。

 日本の旅行代理店はもちろん、海外でも日本語対応しているところでは日本人の訪朝手配は問題なくできる。

 では、なぜこのような「日本人は北朝鮮旅行ができない」などという認識を持った問い合わせが入るのだろうか。

 その理由は、グループツアーへ申し込み、代理店が北朝鮮へ入国申請をした後に断られているからとみられる。入国審査まで進んでから断られているため申し込みから時間が経過している関係で代理店から旅行希望者への手配NG連絡が直前になっているのだろう。

 考えられる可能性は、たとえば、代理店Pが手配した日本人訪朝者が現地で何かしら問題を起こしたかで、代理店へペナルティが与えられている可能性だ。日本人全員が手配NGならPは日本人は手配できないとトップページへ表示して受付段階で断ればいいのであるが、受付をしているということは日本人全員ではないということだろう。もしかするとPだけ入国審査が他社よりも厳しくされているのかもしれない。

代表が国外追放となったトンイルツアー

代表が国外追放となったトンイルツアー

平壌の観光客を乗せるバンとバス

代表が国外追放となったトンイルツアー

 昨年8月に拘束されたS氏や、同じく8月に泥酔して「高麗ホテル」で乱痴気騒ぎを起こした「慶應義塾大学」の学生らのような日本人による「事件」が起こると彼らを手配した代理店が責任を負う。罰金のみで済むケースもあれば、一定期間、訪朝手配自体を禁止されたりする重いペナルティを受けることもある。

 今年6月、ニュースになったオーストラリアにある北朝鮮旅行代理店「トンイルツアー」は、平壌留学中だった代表が一時拘束された影響か、同社では、すべてのツアーを停止しているようだ。

 KWTは、英語、日本語でそれぞれ問い合わせをしたが返信はなく、同社の募集ツアーは8月末を最後に更新が途絶えている。さすがに代表が拘束され国外追放されると代表を交代させるなど一新しない限り代理店業務の継続は難しいのだろう。
 

一番最初に日本人OKか確認するのがリスク回避

一番最初に日本人OKか確認するのがリスク回避

問い合わせ時の最初に日本人でも手配できるかを代理店へ確認するのが確実

 他にも日本人スタッフが在籍し日本人向けの北朝鮮旅行を手配をしていた「大連金橋国際旅行社」も公式サイト、日本人スタッフによる「ツイッター」ともに更新が昨年11月末で途絶えているのため手配していないようだ。同社の手配停止理由、中国人代表や日本人スタッフが北朝鮮で拘束されたなどは情報がないため不明。

 いずれにしても旅行者視点でリスクを避けるためには、一番最初に、「日本人でも手配できるのか?」と確認するのが確実と言える。もちろん、日本にある代理店ならその心配はない(個人的な問題で入国審査に落ちることもあるのでその点の注意は必要)。

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