外国人観光客誘致に力を入れる羅先
今年6月1日から初めて従来の日曜日に加えて出入国手続きを停止した琿春(中国吉林省)イミグレーションだが、11月から土曜日の手続きが再開される見込みだ。
土日の出入国ができないのは、日本人を含む外国人のみで、中国人は出入りできる。6月から土曜日の手続き停止したのは、土日で羅先観光を日帰りで訪れる中国人が急増したための対応だった。
そんな中国人激増の羅先は、観光誘致に力を入れている。羅先で日本人を担当する「羅先国際旅行社」は、観光客向けに温泉施設や射撃場などの建設が計画されていて羅先は、観光地としての魅力をさらに増すと意気込む(ただし、取材は今年6月時点なので現時点で完成しているかは不明)。
大半を占める中国人は日帰り滞在が主流
羅先での大きなイベントといえば、毎年8月に国際展示会が開催されるくらいで特別市とはいえ人口20万人と首都平壌の10分の1ほどの都市規模となる。
羅先は、戦前から有良港である羅津港が知られており、かつては羅津と雄基という2つの地域から構成されていた。北朝鮮建国後に雄基は、先鋒と改名し、羅津と先鋒の両方の地名から2000年に現在の羅先という名称となっている。平壌のような巨大建造物はないものの観光客が平壌では訪問できない工場や市場見学をすることができる。
中国側がイミグレーションを規制するほど中国人で賑わっているくらいなので日本人の観光客誘致に力を入れる必要はないのではないかと思われるが、多くの中国人は、日帰りのため羅先で消費する金額が少なく、中国人は世界でもっとも安く北朝鮮旅行ができるという特権(?)もあるのため、1人あたりの落とす外貨が少ない点も関係していると思われる。
平壌にない羅先3つの魅力
平壌にない羅先3つの魅力
日本人にとって羅先観光には3つの魅力がある。
・北朝鮮滞在最短1泊2日で行ける
・旅費が平壌への旅行より4割安い
・国際列車でロシアへ陸路出国できる
もっとも大きな魅力は、北朝鮮滞在最短の1泊2日で旅行ができることだ。羅先以外の北朝鮮滞在は最低2泊3日以上(観光目的)となる。今年の春に3年ぶりに日本人向けの丹東対岸の新義州日帰りツアーが再解禁されたが、わずか数週間で再び停止してしまったので、現在、北朝鮮最短滞在は羅津への1泊2日となる。
北朝鮮旅行は行ってみたいが、最短の2泊3日でも丸3日間も仕事柄、音信不通にできないという人は少なくない。多少高くても日帰りや1泊2日ならギリギリなんとかという日本人旅行者からの声は多い。
中国でも日本で利用される主要サイトが規制されてアクセスできないが、それでも電話は通じるので最低限の連絡は取れるし、VPNを使用すれば低速だが規制サイトへのアクセスもできるのであるが、これが北朝鮮ではお手上げなので、音信不通覚悟で訪朝する必要がある。
一方、羅先1泊2日だと移動時間を除く羅先滞在は16時間ほどとなりもったいないので2泊3日以上で滞在するのがお勧めだと手配代理店は話す。
(続く)